Abe Katsuhiko

阿部 克彦 准教授

所属
経営学部
経営フランス語
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専門分野

美術史、イスラーム美術史

キーワード

Profile

生年/1964年
出身地/生まれはスイス、ベルン市
血液型/O型
趣味/アンティーク・美術品収集、食べ歩き
尊敬する人/祖父、祖母
子供の頃の夢/考古学者
愛読書/美術書すべて
休日の過ごし方/美術館、街歩き、食べ歩き
好きな国/フランス、イラン。子供の頃から海外生活が長く、合計するとおよそ20年間。長く生活した国は、ベルギー、チュニジア、カナダ、フランス。将来行ってみたい国は、イラク、アフガニスタン

あいまいな「常識」に捉われず、 自ら判断し、考える力を養ってほしい。

イランとイスラーム美術への興味

幼少期から長い間フランス語圏で生活をしていたこともあり、現在は主にフランス語の授業を担当していますが、実はイスラーム世界の美術史が専門です。よく、「なぜイスラームの美術に興味を持ったのですか」とたずねられるのですが、北アフリカのチュニジアで生活したことと、大学での授業がきっかけだったと思います。古代ペルシア美術専門の先生の話を聞くうちに、イランに対する興味が高まり、「イスラーム時代の美術は日本で研究している人がいないので、研究者としての道も開けるよ」というような話をされました。今でもイスラーム美術を日本で研究している美術史の専門家は5人くらいでしょうか。私は祖父を大変尊敬しているのですが、祖父がいつも言っていた「人と同じことをするな、人と違うことをしなければ意味がない」という言葉が今でも残っています。私が、日本ではなかなか紹介されることの少ないイスラーム世界の美術や文化の研究を続けて来られたのも、その祖父の言葉を信じ続けてきたおかげだと思っています。私の現在の研究テーマは、17世紀イランのサファヴィー朝の美術・工芸史で、おもに陶器や染織品の装飾文様を対象にしています。当時のイランは、ヨーロッパや他のアジア地域との交易が盛んで、美術・工芸品にも東西文化交渉の影響が色濃く反映されています。そのような、多文化間の相互交流の歴史は、私の研究のメインテーマでもあります。

人生観を大きく変えたイランでの体験

実際にイランを訪ねるうちに、人生観が大きく変わりました。特に田舎に行き一人で歩いていると、「どこからきたの」と声をかけてくれ、「昼ごはんを用意しているから食べにきなさい」と気軽に招いてくれます。しまいには「ホテルなんか泊まらないでうちに泊まれ」ということも何度もありました。初めは少し不安でしたが、それは純粋に「外国から客人がきた。それならうちでもてなそう」という思いです。特に見返りを求めるわけでもなく、もてなすことが楽しい、嬉しいという純粋な心です。「人間は本来純粋で優しい存在なのだ」と気付かされました。
しかし社会が複雑になると、人間関係に形式的なことも出てくるし、利害関係も生じてきます。日本ではよく「常識」と言いますが、それは一つの決まったモデル、規範というような意味合いがあって、それにみんな従わなければいけないと漠然と思っています。ところが「その常識って何だろう」と考えると、実は人によって違うことが多いのです。国によっても、住んでいる地域によっても異なります。つまり常識というものは、あまりにも曖昧なものなのです。ですからそれにいたずらに捉われたり、周りの人のことを気にし過ぎることなく、自分自身の価値観や人生観を見極めていってほしいと思います。そのお手伝いとして、いろいろな国の話を通じて、これまでの固定観念を崩しながら、「日本人が漠然と思っている常識というのは通じないところもあるんだ」「価値観も人との付き合い方もいろいろあるんだ」ということを考えることのできるような授業を目指しています。

好奇心をフル活用して新しい興味を見つけよう

大学というところは、役に立つ・立たないとか、得になる・ならないではなく、「知の遊び」「頭の遊び」ができる場所、つまり知的好奇心を満足させることのできる数少ない場所です。ですから、精一杯の好奇心を持ってほしいし、最初から「自分は興味ない」「これしかない」などと決めつけないで、まずは自分の目でいろいろなものを見てみる、とりあえず話を聞いてみる、ということをしてほしいと思います。思ってもみなかったような、意外と面白いものが見つかるかもしれないし、そこから自分の人生を選ぶのも良いんじゃないかなと思います。大学4年間はそういうことを探せる自由時間なのです。

Photos

  • 小学生の時、初めて親に買ってもらった『仏像 そのプロフィル』(入江泰吉、青山茂著 保育社カラーブックス〈III〉)。今振り返れば初めて手にした美術書でもある。子供ながらに、色やかたちなど「きれいだな」と何度も繰り返し見ていた

  • イラン中央部のバフティアリー族の民族衣装。現地の遊牧民が実際に着ている羊毛のガウンとフェルトの帽子

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