お知らせ

2022.08.05

鎌倉小町商店会と学生の意見交換会「いざ、小町通りの未来へ」を開催しました

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7月15日(金)、鎌倉生涯学習センターにおいて、鎌倉市と神奈川大学都市計画研究室の主催により、鎌倉小町商店会と神奈川大学学生による意見交換会「いざ、小町通りの未来へ」が行われました。

鎌倉市は、鎌倉を代表する若宮大路や小町通りのまち並みを皆で協力して創造していくために、地元商店会・自治会、景観整備機構と知恵を出し合って、景観形成ガイドライン「あなたがつくる『若宮大路・小町通りの景観』」を策定しています。

2021年9月に神奈川大学と鎌倉市が、地域資源を活かした持続可能なまちづくりに向けて包括連携協定を締結したことをきっかけに、本学建築学科の都市計画研究室は、鎌倉市の都市景観課と連携。都市計画研究室の学生が小町通りの調査を行い、今回の意見交換会では、4月から6月にかけて小町通りの建物一つひとつを写真に撮り、写真カードにコメントをつけて整理した結果をもとに、小町通りの景観の特徴と魅力について発表しました。

 

発表では、調査で見つけた小町通りの風景を「建物が生み出す風景」と「建物の連続性が生み出す風景」の2つに分け、古い建物や新しい建物が混在していることによる雑多感や、人が多く集まり賑わいがある一方で、そのことが混雑や歩行の妨げにつながっていることから、歩きやすさや圧迫感を感じさせない工夫をすることで、もっと歩いて楽しい小町通りにしていくことができるのではないか?との考えを提示しました。また、一見ばらつきがあるように感じられるものの、1階の天井ラインやオーニングの高さがそろっていることで通りがきれいに見えることや、2階部分の縦窓が連続していることで景観にリズムが生まれていることで、商店街に一体感が生まれていることを指摘しました。最後に、この二つの風景からの気づきを踏まえ、小町通りにあったら良いと考える空間イメージに言及して、発表を終えました。

 

その後、2つのグループにわかれて、地元の鎌倉小町商店会や景観整備機構である一般社団法人ひと・まち・鎌倉ネットワークの方々と学生が一緒に、学生発表への感想と小町通りの好きな風景、これからの小町通りにあってほしい風景などについて、意見交換を行いました。

お店の入れ替わりが激しいなかで、統一感をもたせていくことを課題とした上で、小町通りだけで考えるのではなく鎌倉全体のなかで考えていくことや、歴史を残すために新しい店と古い店が一緒に取り組むことの重要性などに触れ、更には、地元利用者を増やすためや、いま小町通りを訪れている若い人たちが年をとっても来たくなる小町通りとするためには“品格”が大きなキーワードであるとの意見が出されました。

 

意見交換を終えて、鎌倉小町商店会や一般社団法人ひと・まち・鎌倉ネットワークの方からは、これまで気づかなかった視点から刺激的で有意義な意見をもらうことができたと感謝の言葉をいただきました。また、「意識したわけではないのに通りにリズムが生まれているというのは新しい発見。なぜそうなのか、つき詰めて考えてみたい」「小町通りは商店街なので、いい景観ができると商売にもプラスになるという循環がうまれると良い」とのお話もありました。

 

最後に、都市計画研究室の山家教授より、4月から始まったフィールドワークを振り返りながら、「難しさを感じながら景観というキーワードで小町通りを見て、一生懸命に調査して学生なりに雑多感、リズムというキーワードをみつけた。意見交換の機会から、鎌倉らしさは品格など、新しい気づきをいただいて、さらに深めることができると期待している。」との挨拶がありました。

 

都市計画研究室では引き続き、鎌倉らしさ、小町通りらしさをつき詰めながら、小町通りの景観形成ガイドラインの充実に取り組んでいきます。