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2019.10.17

諸坂佐利 准教授(法学部)が日本博物館協会の「棚橋賞」を受賞しました

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諸坂佐利 准教授(法学部)が、日本博物館協会の「棚橋賞」を受賞しました。この賞は「博物館研究」掲載原稿の中から有識者選考委員により選ばれた優秀な論文に対して贈られます。

受賞テーマは「我が国の『水族館』を取り巻く環境法に関する法解釈学的及び法政策学的考察-いわゆる『イルカ問題』にも触れながら」です。現在、日本には「水族館の設置・運営」に関して指揮監督または保護する国家法が明確に存在しません。諸坂准教授は論文の中で、水族館を取り巻く法制度や統括団体が不明瞭である現状を問題視し、それにより動物を扱う施設・団体における教育水準の低下や、動物福祉などの観点から問題となる事態が起こりうるリスクについて述べました。また「イルカ問題」を例に挙げ、「動物福祉」「種の保存」の実現に向けてさらなる改革が必要であると提言。国においても、ある意味では中央集権的制度の構築が不可避であることなどを強調するとともに、改めて「命の展示」を行うものに対する姿勢を問いました。

諸坂准教授は受賞に際し、「この度は大変栄誉ある賞を頂戴し、感謝するともに身の引き締まる思いです。今般の受賞論文のテーマである「イルカ問題」とは、動物愛護・福祉、種の保存(域外保全)、環境教育のあり方に対する、我が国の国際信用力、外交問題にも発展し得る重大な問題です。今後も調査・研究の研鑽を積んで、国等関係行政機関への法政策的アドバイスや一般の市民の皆様への普及啓発活動も積極的に行って参りたいと思っています」とコメントされました。

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