お知らせ
2025.07.04
神奈川県警察本部被害者支援室の本間なぎさ氏による講演会が開催されました。
警察官実務特修Ⅱでは、神奈川県警察本部警務課被害者支援室の本間なぎさ氏より、被害者支援におけるカウンセリングの現状についての講演をしていただきました。本間氏は公認心理師の資格を有しておられます。
犯罪被害者やその家族に平穏な生活を早期に取り戻してもらうための被害者支援を、犯罪被害者等基本法は地方公共団体の責務に位置づけています。そこで、都道府県警察でも、精神的・身体的被害の回復・防止、損害回復・経済的支援、刑事手続への関与拡充などの犯罪被害者支援活動が行なわれているところです。
講演では、犯罪被害者支援の歴史と制度、犯罪被害者等の心理と被害者カウンセラーによる実際の支援事例についてお話をしていただきました。
学生からは、「これまで、ニュースなどで犯人が捕まった際には「逮捕されてよかった」などと事件が解決したことや加害者のことしか考えていなかった。被害者のことや残された遺族の思いを気にすることが少なかったが、実際のカウンセリングの現状を聴き、自分が想像していた以上に被害による精神的な影響は大きく、その後生活していく上でとても大変なことを知った。」「(犯罪の)加害者について考えがちだが、被害者の視点に立った支援や心理ケアの重要性について改めて考えさせられた。印象的だったのは、周囲からの心ない言葉や被害の事実を疑われること、警察の不適切な対応等で被害者が事件後に二次被害と呼ばれるさらなる苦しみに直面するという指摘である。そのような時、被害者にに寄り添う専門的な知識を持つ心理カウンセラーの重要性を強く感じた。」「被害者の苦しみは犯人を捕まえて終わるわけではない。被害者が本当に求めているのは、その後の他の被害を止めることも大切だが、被害に遭った被害者への支援ではないかと感じた。被害者にかかわる仕事に就いたとき、被害者の気持ちを思い、被害者がどのような目に遭い、どのような状態でどのようなことに苦しんでいるか、ただ話を聴き、知るのではなく、しっかりと被害者と向き合っていきたいと感じた。」などの意見が寄せられました。