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宮陵会からのご挨拶

会長就任のご挨拶

  • 一般社団法人神奈川大学宮陵会
    会長 内田 青藏

 今回、会長に就任した内田青藏でございます。最初に簡単な自己紹介から始めたいと思います。

 私は、1975年神奈川大学工学部建築学科を卒業しました。その後、大学院修士課程に進み、博士課程は東京工業大学大学院(現東京科学大学)に進学しました。専門領域は建築史で、欧米化が開始された明治以降のわが国の住宅建築の変容過程に関する研究を進めてきました。大学院修了後は、東京工業大学附属工業高等学校(現東京科学大学附属科学技術高等学校)、文化女子大学、埼玉大学を経て2009年から母校である神奈川大学で教鞭を採っております。いわば一介の研究者であり教育者です。私自身、宮陵会の役割が出身大学を支えることとすれば、会長職は学生にとっての就職面や大学運営上のサポートとなると経済界でご活躍の方々の方がふさわしいのではと思っています。

 しかしながら、前任者である久保会長も研究者であり教育者でした。その久保会長、そして私と会長職に大学人が続いたのは、偶然かもしれませんが、教育面から大学をバックアップしたらどうかという暗示のようにも感じております。

 宮陵会の機関誌『宮陵会』74号をすでにお読みと思いますが、前久保会長が現在の神奈川大学の状況について、忌憚のないご意見を寄せています。私も拝読し、正直、同じ思いを抱きました。

 素朴ですが、卒業生のひとりとして、母校が国内の大学の中でも価値あるものとしての高い評価を得ること、絶えず成長を遂げ、世界へとその名を轟かす存在になることを夢見ています。2009年に赴任する際は、微力ながらそうした大学への変貌の力になりたいと考えていました。こうした思いもあって、私は所属する建築学科を他大学が既に進めていたように建築学部に格上げすることをめざしました。改組を通じて、優秀な学生を集める契機としたいと考えたからです。大学の理解を得て、建築学部を創設させていただきました。教育の質を高め、優秀な学生を集めるという目的の達成にはまだまだ時間がかかりますが、現在、優秀な卒業生を世に送り出すことを目指し、教育を展開しているところです。

 卒業生として母校に対する思いはつきません。何とか一歩でも夢に近づきたいと思うのです。そのためには、どうすべきか。やはりわれわれ卒業生は、創立者米田吉盛の「教育は人を造るにあり」という言葉に立ち返ることが求められているように思います。もう一度<教育>の力を信じ、大学と一緒に学び舎の「人を造る<教育>」の具体化を目指し、神奈川大学独自の大学教育を実現することこそ評価を高める道ではないかと思うのです。そのためには、われわれの母校愛に満ちた声を大学に届けることが必要です。そしてまた、改革を推し進めるためには、神奈川大学をこよなく愛し、その成長を求める教員の存在が不可欠であり、そのためには本学出身者の教員をもっと増やしていただくことが必要ではないかと感じています。

 最後になりますが、あと3年で母校が100周年を迎えます。宮陵会では、この100年をどう祝うのかという大変重要な課題に直面しています。正直、荷が重く且つ責任も伴う課題ですが、この時期に遭遇したことを名誉と考え、また、楽しみながら卒業生の皆様とご一緒に創設100年をお祝いするための準備に向かいたいと考えています。ただ、その準備は私や理事の皆さんだけでは手に余ります。どうぞ、皆様のお力をお借りしながら、ご一緒に進めていきたいと考えておりますので、ご指導・ご鞭撻とともにご協力のほどよろしくお願い申し上げます。