Murakami Kurenai

村上 紅 特任教授

所属
工学部
電気電子情報工学科
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専門分野

通信工学

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Profile

出身地/東京都
生年/1958年
子供の頃の夢/学者
尊敬する人/たいていの人は尊敬に値します
愛読書/ドストエフスキー
趣味/音楽鑑賞
休日の過ごし方/音楽を聴きながら仕事に追われている
好きな音楽/ベートーヴェン、バッハ、ヴァーグナーなど
好きなTV番組/『ブラタモリ』、TVドラマもよく観ます
好きな映画/『カサブランカ』
好きな著名人/林田理沙
好きな食べ物/つけめん
好きな国/ドイツ

勉強に存分に打ち込める学生時代だからこそ、 ふたつの「ソウゾウ力」を身につけてほしい。

通信技術の発達と隣り合わせの「エラー」に対処

テレビやネット動画に現れる映像の乱れや、画像の色ムラなどを想像してみてください。通信技術の発達によって現在はこうした不具合とはほとんど無縁の世界になりましたが、通信工学の分野はこれらエラーとの戦いがつきものでした。「ジッタ」と呼ばれる信号の時間的なゆらぎがエラーを引き起こす要因のひとつなのですが、私は約40年間、電気メーカで開発業務に携わる中で、この課題に取り組んできました。就職した頃はちょうどディジタル通信技術が広く展開され始めていて、そこから通信技術の進化とともに何度かリバイバルで問題になるなかで長年、専門的に研究していたようなイメージです。
それとは別に、現在は「上流仕様の形式化」に興味を持って取り組んでいます。上流仕様とは、製品開発における基本設計のようなものです。通信・IT業界では、上流仕様が曖昧なままに製品やサービスの開発を進め、後になって仕様が変更になり、それまでの努力が無駄になったり開発期間の遅延が発生したりといったことが高頻度で起こります。業界全体に渡るこの状況に対して一社員として働いていた頃から問題意識を持っていたのですが、日々の業務に追われる毎日だったこともあり具体的な解決を目指す余裕がありませんでした。この問題について、例えば、上流仕様を曖昧なく記述する形式化の手段を見つけるなど、具体的な改善策を見つけられたらなと思っています。

学生が伸びていく姿を見るのが何よりのやりがい

2018年に定年退職を迎え、以前から若者を指導したいと思っていたこともあり大学教員になりました。神奈川大学には2021年の4月に着任したのですが、それまでもいくつかの大学で学生を指導していました。やってみて分かったのは「こんなに面白い職業はない!」ということです。学生に面と向かって接し、何かを教えたり質問を投げかけたりすると、それに対しての反応を示してくれる。そうしたコミュニケーションがとても刺激的で、皆さんが新しい発見をして伸びていくたびに私もやりがいを感じています。もう少し早く大学教員になっておけばよかったと後悔するほど有意義な日々です。
授業は「コンピュータⅠ/Ⅱ」、「基礎電気数学Ⅱ」、「電気電子情報実験Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ/Ⅳ」を担当しています。「電気電子情報実験」では実験後にレポートを課していますが、「分かるように書きなさい」と指導しています。レポートは実験内容を理解できているか学生自身が確かめる手段でもありますし、読む側に伝わるように丁寧に書く必要もあります。その重要さは企業に就職して上司に書類を提出するような場面でより身に沁みることでしょう。私も提出されたレポートをできるだけ細かく添削して返却し、理解を深めてもらおうと試みています。

好きな分野への追究が、やがて血や肉となるはず

大学では「想像力」と「創造力」を身につけてほしいと思っています。「想像力」は、「世の中がこうなっていると便利なんじゃないかな」「こうなると、たぶん悲しいな」という感性のこと。自分の考えを広げ、新しいアイデアの源泉になるとともに、自分とは直接関係がないこと、自分とは距離の遠いモノや人に思いを馳せる営みです。「創造力」は、「こういうモノをつくってみたい」という思いを実現する力です。卒業論文の段階で初めて身についてくる力かもしれませんが、どのような仕事においてもこのふたつの「ソウゾウ力」が必要だと思っているので、意識してみてほしいですね。
社会に出ると勉強できる時間が激減します。私はそれがとてもつらく、学生時代に専門分野以外(とりわけ英語)の勉強をもっとしておけばよかったと後悔しています。思う存分、勉強ができる学生のうちに好きな分野を見つけ、その勉強は社会人になってからも継続してほしいと思っています。文学でも経済でも、はたまた料理でも、なんでもいいと思います。その努力がいつか、あなたの血や肉となり役に立つはずです。

Photos

  • 現在愛用している関数電卓です。HP社製で、RPN(逆ポーランド記法)を採用しています。私は、30年以上前にRPNを使い始めて、今ではRPNの電卓しか使えなくなってしまいました。現在はもうRPNの電卓はほとんどありませんので、貴重品です

  • ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第14番」は、私の勝手な思い込みですが、究極の音楽です。この曲を本質的に超える音楽は、過去はもちろん、未来にも絶対にあり得ません。このCDはスメタナ四重奏団の演奏で、私がこの曲を初めて聴いたレコード(!)のCD化です

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