Tsuji Naomi

辻 直美 特別助教

所属
理学部
理学科
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専門分野

X線γ線天文学

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Profile

出身地/東京都
子供の頃の夢/科学者
尊敬する人/マリー・キュリー
趣味/ドラマ観賞、スポーツ観戦
休日の過ごし方/ドラマ観賞
好きな音楽/K-POP

多様なアプローチから天体を観測し「超新星爆発」の謎に迫る!

主な研究対象は「超新星残骸」と「ブラックホール」

鎌倉時代の歌人・藤原定家が書いたとされる『明月記』には、当時の天体に関するさまざまな記録が残されています。そのなかに登場する、普段とは異なる天体の様相を示す「客星」という言葉。この「客星」は、星が消滅する際に起こる「超新星爆発」であったことが、近年の研究で明らかになっています。

この「超新星爆発」によって吹き飛ばされ周囲に広がる「超新星残骸」という天体や、爆発後に中心に残るブラックホールが、私の主な研究対象です。具体的には、地球から離れたところにある天体が放出する光をとらえ、データを解析することで、その天体でどういった事象が起こったのかを探っています。私たち研究者にとっては、人間の目に見える光だけではなく、X線やγ線といった、人間の目には見えない電磁波も重要な手がかりとなります。しかし、それらの光線は地球の大気に吸収されてしまうので、地上では観測できません。そのため、JAXAやNASAが衛星を打ち上げて観測したデータを用いて研究を進めています。

例えば、「超新星残骸」は地球から何千光年も離れたところにある天体ですが、放射する光のデータを数年間にわたって観測すると、ゆっくりと動いている様子を知ることができます。これは宇宙規模では非常に小さな動きに見えますが、実は秒速4千キロメートルくらいのスピードで動いていることがわかっています。その点からも宇宙のスケールの大きさを感じてもらえるのではないでしょうか。

また、ブラックホールでは、その内側から噴出される「ジェット」と呼ばれる現象が観測されています。しかし、この「ジェット」を含め、ブラックホールはまだまだ未知の存在です。さまざまなアプローチから測定を実施し、こうした壮大な宇宙の謎に迫ることが、私の研究の大きな目標なのです。

私たちが生きている天の川銀河では、100年に1度くらいのペースで「超新星爆発」が起こると言われています。しかし、この100年間において1度も観測されていません。これが地球からそう遠くない場所で観測されれば、研究に役立つ膨大なデータを得ることができるので、そろそろ起こるタイミングかもしれないと、今からワクワクしています!

実験はレポートとしてきちんとまとめることが重要

私が担当している「物理学実験Ⅰ」という授業では、二重スリットを用いた光の干渉実験や、超音波を出す機器を使用した音速の測定実験など、光と音にまつわる基礎的な実験を通じ、身近なところから物理に対する理解を深めてもらいます。また、3年次以上を対象とした「物理学実験Ⅱ」では、私の専門分野ともつながりのある「分光スペクトル」の測定を実施しています。「分光スペクトル」とは、光の強度分布を波長ごとに示したものです。太陽から豆電球まで、さまざまなスペクトルを測定し、それぞれが持つ特徴を比較していきます。

授業中は学生の様子をしっかりと観察し、実験のどの過程でつまずいたのかを知りたいと考えています。次の授業からは、そのポイントを重点的に説明し、よりわかりやすい授業へとアップデートすることを意識しています。

実験では、測定で得られた結果について考え、レポートとしてきちんとまとめることが大切です。この考える能力と、文章を書く能力は、社会に出てからも重要なので、授業を通じて身につけてほしいと思います。また、専門知識を深めるためには、英語の論文を記述したり読解したりする力も必要になるので、英語の勉強も頑張ってほしいですね。

私は大学時代、教員免許の取得、アメリカへの短期留学、震災地訪問など、さまざまなことに挑戦しました。こうした経験によって視野が広がったと実感しているので、皆さんもぜひ新しいことにチャレンジしてみてください!

Photos

  • 中学校から大学までの約10年間、軟式テニスをやっていました。ポジションは前衛です。今でもたまにコートに行って、軟式テニスを楽しんでいます。

  • 旅行、特に海外旅行に行くと必ず、その土地や国にまつわるピンバッジを買っています。子供の頃から集め始め、今や70個ものコレクションになりました。

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