
Saito Kei
齋藤 渓 特別助教
Profile
出身地/愛知県
生年/1992年 8月9日
愛読書/「水滸伝」(北方謙三)、「項羽と劉邦」(司馬遼太郎)
趣味/クロスバイク、食べ歩き
好きな食べ物/一から自作したインド式カレー、お酒
好きな国/オーストラリア(動物園が多いため)
数学はモノづくり。 誰も見たことのない、新たなモノを生み出したい。
「なんとなく」が通じない、興味深い量子の動き
もともとは数学教師を目指していたのですが、大学の時に数学の本質的な面白さに目覚め、研究の道を志すようになりました。高校までの数学といえば、公式を暗記したり、時間内にたくさんの問題を解いたり…という内容で、正直なところ、今でもそういうことは得意ではありません。しかし大学での数学は、高校とはまったく異なるアプローチでした。時間をかけてじっくり数学と向き合うことができ、そこに魅力を感じるようになったのです。数学は“モノづくり”です。目に見えるモノではありませんが、新しい定理を形にしていくというのは紛れもないモノづくりです。自分のアイデアで、まだ誰も見たことのないモノをつくることができたら…こんなに面白いことはありません。
今研究しているのは、「量子ウォーク」というものです。確率論をもとに、量子の動きを計算しています。人間の動きなら、右へ行くか左へ行くかの確率は50%ずつだと感覚的にわかりますが、これが量子になるとまったく違うのです。確率の計算の仕方が変わるため、「なんとなく」では絶対にわかりません。生活の中で、感覚的に「おそらくこうだろう」と思っていることはたくさんありますが、それがまったくあてにならないところに興味を惹かれています。量子ウォークは21世紀になって注目され始めた、まだ新しいテーマなので、これからますます盛り上がっていくのが楽しみです。
モノづくりの喜びを味わうことのできる授業に
大学は義務教育ではありません。「何を学びたいか」を意識して、主体的に取り組んでください。社会に出てからの自分をイメージできると、より学びが身になるのではないでしょうか。授業では、画像や動画の加工についても勉強していきます。研究において、見やすいデータやプレゼンテーションを作ることはとても大切です。新しいモノを生み出すことができても、その意義やメリットを人に伝えられなくては、なかったことと同じだからです。相手の立場になって論理的に話し、「わかりやすく伝える」ことを心がけてください。
授業を通じて、「問題を考察する力」を身に付けてほしいです。与えられた問題に対して、「果たしてこれは解く必要があるのか?」という問いを持つことです。そもそも問題自体に意味がない…ということもあり得ます。これは研究テーマを設定する際にも言えることです。
システム数理学科はクリエイティブな授業がたくさんあるので、創造力を磨くことができるはずです。授業で興味のあることに出会ったら、気になったことはそのままにせず、好奇心の赴くままに調べたり、研究したりしてみてください。モノづくりの楽しみを味わえる授業にしたいと思います。
人生は楽しむもの。「楽しみ方」を広げる大学生活を。
人生は楽しむものです。食べて寝て遊んで…というのが楽しいのは当然ですが、せっかく大学に来たのですから、ぜひ学ぶ楽しみも感じてほしいです。授業で触れるアカデミックな事柄、工学の技術からなるクリエイティブな行動…。こういうことの中にも楽しみを見出せるかどうかは、感性次第だと思います。そして、感性は育てることができます。私でいえば、もともと数学が得意ではありませんでしたが、今では本当に楽しいものだと思っています。このように、少し見方を変えてみるだけで、物事はまったく違うように見えてくるものです。
「楽しむ」感性が豊かになれば、大学を卒業してからも、きっと充実した人生を歩めるでしょう。自分の力をぐんぐん伸ばせる機会ですから、積極的かつ前向きに授業に取り組んでください。

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