
Kitamura Ryuta
喜多村 竜太 特別助教
Profile
生年/1988年
出身地/島根県
家族構成/父、母、妹
子供の頃の夢/ロボットの技術者
尊敬する人/両親
愛読書/「思考は現実化する」
趣味/ボルダリング、サイクリング
休日の過ごし方/自宅でのんびり、ボルダリング、サイクリング
好きな映画/スターウォーズ、ゴジラシリーズ
好きな音楽/ゆず、FUNKY MONKEY BABYS
好きなTV番組/「アメトーーク!」「月曜から夜ふかし」
好きな食べ物/魚介類全般
大学では専門的な知識を身に付けるだけでなく、それを得るための方法を学ぶことも重要だと思います。
実習や実験の楽しさと考察の重要性を教えたい
私が担当している1年生前期の「MデザインA」では、学生がグループに分かれてマイコンによる自律動作機能を備えた模型を製作し、授業内で競技を行うという機械工学科らしい体験型の授業です。私は主にマイコンに関する指導を行っています。具体的には、モーターを制御するにはプログラミングが必要なので、どうすればモーターを回転させられるか、角度を制御できるかといったマイコンのプログラミングを教えています。1年生にとっては初めて学ぶことが多いため、できるだけ基礎から丁寧に教えようと心がけています。また私自身、子どもの頃はロボット技術者になりたかったこともあって、学生にもこの授業を通してロボットや機械を動かす楽しさを感じてもらいたいと思っています。
3年生後期の「機械工学実験」では、「管摩擦係数の測定」と「回転軸の危険速度」の2テーマを担当しています。「管摩擦係数の測定」の実験では、銅の円管に水を流し、流量を測定したり、U字型マノメーターを用いて上流と下流の圧力差を測定することで、管内の流体の流れを評価します。
また「回転軸の危険速度」の実験では、金属の円板を金属製の回転軸を介してモーターで回転させ、波形データを計測することで周期・角振動数、および軸の振動が大きくなる角振動数(危険速度)を測定します。こうして得られた実験値と理論値を比較するのですが、当然、一致しないこともあります。その場合はなぜ一致しないのか、原因をしっかり考察することが重要で、これは研究においても重要になります。4年生からは卒業研究が始まるので、研究の軸となる「考察」、および自身の考えを「まとめて伝える」能力をしっかり身に着けてほしいと思っています。
繊維強化複合材料の破壊のメカニズムを独自の手法で解析
私の研究では、繊維強化複合材料の解析に取り組んでいます。繊維強化複合材料で一番有名なものは、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)。飛行機の機体などに使われる、軽くて丈夫な素材です。こうした繊維強化複合材料では母材となる材料の中に繊維を入れることで強化を図っていて、もし母材にき裂などの損傷が起こっても、繊維の架橋や界面はく離・すべりによってこのき裂の進展を抑制できるようになっています。私はこうした複合材料の破壊メカニズムのうち、特に繊維と母材が触れている境界部分(界面)で起こる摩擦を伴ったずれ、いわゆる“すべり挙動”に注目して解析をしています。
一般に「界面すべり挙動」などの接触解析には、ペナルティ法が用いられてきましたが、解析精度を高めるためには繰り返し計算をしなければなりません。そこで私は、繰り返し計算を必要としない、短時間で高精度な界面すべり解析を実現するため、少し特殊な手法を用いて解析を試みました。具体的には、母材/繊維の界面を複数の節点で表し、界面の状態を変位や接触力のつり合い式を正確に定義することで、精度の高い解析を行うプログラムを自分で組んだのです。今後はこのプログラムを多くの人が扱えるように、改良したいと考えています。
私が複合材料に興味を持ったのは大学に入ってからです。複合材料は飛行機やロケットなど航空宇宙分野でよく用いられるもので、それを実際に自分で作ってみたいと複合材料の研究室に入りました。学部生の頃は、実際にセラミックス系の繊維複合素材を作ることもありましたが、実験の検証で解析が必要となり、また指導教官から勧めもあって解析に携わるようになりました。最初は難しそうだと思っていた解析も実際にやってみると自分に向いていたようで、解析結果と同じ実験値が得られその根拠づけがきちんとできると、やりがいを感じて研究が楽しくなってきました。そこからさらに突き詰めてみようと大学院へ進み、現在に至ります。
サークルやアルバイトなど大学生らしい時間も大切に
私自身の大学時代を振り返ると、家庭の事情もあって学業とアルバイトに忙しく、サークル活動など大学生らしい時間をあまり持つことができませんでした。それは今でも残念に思っていることです。ですから皆さんは環境が許す限り、ぜひ授業以外の活動にも積極的に参加してみてください。一生懸命取り組んだ経験は、就職活動などでもきっと役立つと思います。また、アルバイトも社会体験のひとつとなるので、学業に差し障りない範囲でしてみるとよいでしょう。TA(Teaching Assistant)など学内でのアルバイトは時間を取りやすいですし、後輩に教えることで自身の知識を高められるのでお勧めです。
また、大学では専門的な知識を身に付けることに加えて、それを得るための方法を知ることも非常に重要だと思います。どうしたら知識が手に入るのか、どう調べたら知りたいことが知れるのかをぜひ学んでください。知識そのものは時間とともに古くなる面もありますが、知識を得る方法や学び方は卒業後も役立つものです。その力は、本や論文を読んだり、研究室の先生や先輩など身近な人に話を聞いたりすることで身につきます。大学ではさまざまな人と出会えますから、その機会を大いに活用して成長していってください。

航空宇宙構造研究室
小型衛星を安価で打ち上げる超小型ロケットの開発を手掛ける
航空機や宇宙機には、軽さと高信頼性が強く求められ、それを実現するには構造設計の進歩が不可欠です。一方で、コンピュータによる解析手法は格段の進歩を遂げているものの、薄肉構造の座屈という破損現象や、継手部の強度、強度の統計的評価など、未解決分野が多くあるのが実情です。当研究室では、それら構造設計の未解決分野の研究に取り組んでいます。 大学における超小型衛星の開発が近年盛んになっていますが、大型ロケットに相乗りする形でしか打ち上げられないため、その機会は限定的です。そこで私たちは、ハイブリッドロケットと呼ばれるロケットエンジンに着目。超小型衛星を安価で迅速に打ち上げるための、超小型ロケットの開発も手掛けています。
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