Yui Akinori
由井 明紀 教授
Profile
出身地/長野県
家族構成/妻と子供2人
子供の頃の夢/科学者になる
尊敬する人/スティーブ・ジョブズ
愛読書/「地球の歩き方」
趣味/旅行
好きな映画/「Love Story」「愛と青春の旅だち」
好きなTV番組/「ワールドビジネスサテライト」「サイエンスZERO」「知られざるガリバー」
好きな食べ物/讃岐うどん、カレーライス
好きな国/日本
研究を続けるモチベーションは、自分自身が楽しむ延長線上に、世の中に役立つものが創造できる喜びにあります
硬脆材料の加工や水中ソーラー発電の研究
私は精密加工や工作機械を専門としていて、現在取り組んでいる研究テーマの一つは「硬脆(こうぜい)材料の精密微細加工」です。硬脆材料とは、硬くて脆(もろ)い材料の総称で、近代産業を支えている重要な素材です。身近な例だと、コンタクトレンズなどの金型材料です。超硬合金という素材を削って金型を作り、そこに樹脂やガラスを流し込んでコンタクトレンズは作られています。硬脆材料を高精度に加工するためには、加工技術や工作機械にさまざまな工夫が要求されます。通常の加工では、素材の3倍以上硬い工具を使用する必要があります。そのため、地球上で最も硬いダイヤモンドが工具として使用されます。一方、ダイヤモンドにも摩耗(まもう)や破砕(はさい)といった課題があります。そこで私はレーザーとダイヤモンドを組み合わせた加工技術を発案し、実用化研究を進めています。
現在取り組んでいるもう一つのテーマは、「水中ソーラー発電システム」の開発です。持続可能なエネルギーとして注目を集めている太陽光発電は、屋根等にソーラーパネルを設置しますが、鳥のフン害や黄砂等による発電効率の低下、そして台風被害といった課題があります。そこで私はソーラーパネルの海中設置を発案し、実用化に向けて国際的実証実験を行っています。水深や塩分濃度といった懸念事項をクリアして、今は海中生物の付着に関して解決策を探っています。
その他にも、半導体材料加工用工作機械や超精密工作機械に必要な、水静圧テーブルに関する研究・開発等も行っています。
「迷ったときは行動してみる」が私のモットーです
大学時代から、「何かをするべきか止めるべきか迷ったときは必ず行動する」をモットーにしてきました。私は何より研究が好きで、電車に乗っていてもごはんを食べていても、ふと新しいアイデアが思いつくと、それを形にしてみたくなります。世の中には便利なものがたくさんありますが、改善の余地が残されている場合も多くあります。一見不要だと思われることでも、とりあえずやってみることから、新しい何かが生まれることは案外多いものです。そのような課題を見つけて改善策を追究し、より良いものを創造することによって、世の中の役に立つことができます。それが工学分野における研究の醍醐味だと思っています。
製造現場や研究で培った知見を「神大生のために」
自動車等の機械に子供の頃から興味があり、大学では工学部で機械工学を学びました。卒業後は工作機械の製作会社に就職し、主に研削機械の開発設計に20年程携わった後、防衛大学校の教授に転身して約20年間、精密加工に関する教育や研究に取り組みました。 その後、2019年より現職に就きました。「すべては神大生のために」という思いで教壇に立っています。一方通行の授業にならないよう、学生の皆さんとコミュニケーションを深めながら楽しい授業を目指します。皆さんもぜひ、意欲を持って積極的に参加してほしいです。
精密加工学研究室
精密加工に基軸を置き、研究・開発を通じて世の中で必要とされる人材を育成する
我が研究室は、令和元年に発足した新しい研究室です。精密加工や工作機械に基軸を置き以下の研究・開発に取り込んでいます。 1.硬脆材料は近代産業に欠くことのできない重要な素材で、難削材のためダイヤモンド工具刃先に摩耗やチッピングが発生します。これを抑制するために、ダイヤモンドを透過したレーザ光を加工点にピンポイントで照射する新しい複合微細加工法を発案し、実用化研究を進めています。 2.日本は世界8位の広大な排他的経済水域を有しています。そこで、ソーラーパネルの海中設置を発案し、実用化に向けて国際的実証実験を行っています。 3.半導体材料加工用工作機械や超精密工作機械に必要な、水静圧テーブルに関する研究・開発等を行っています。
Photos
地域課題
SDGs・地域課題について
再生可能エネルギーの拡大に貢献できる海中ソーラ発電システムの開発を行っています。