
Kusuyama Jumpei
楠山 純平 特別助教
Profile
生年/1987年
出身地/東京都
家族構成/妻、娘
子供の頃の夢/工事現場のおじさん
尊敬する人/樋口季一郎、大学院時代の恩師
愛読書/「ローマ人の物語」「戦争の心理学」「一夢庵風流記」「ベトナム戦記」
趣味/ロードバイク、靴磨き、ウイスキー蒐集
休日の過ごし方/娘と散歩
好きな映画:「The Blues Brothers」「The Right Stuff」「Men of Honor」「FURY」
好きなTV番組/「ゴッドタン」
好きな著名人/Peter Sagan、新城幸也、中野浩一
スマートフォンなどの電気製品を小型化・軽量化するため、半導体材料の研削加工に関する研究を行っています。
積み上げた知識と経験がひらめきを形にする
私たちの暮らしに欠かせない多くの電気製品には、半導体デバイスという部品が使われています。そして、スマートフォンをはじめ電気製品の多くがより小さく、より軽く改良されていくなかで、その構成部品である半導体デバイスも、性能を上げながら小型化・軽量化することが求められるようになりました。この半導体デバイスは、「インゴット」と呼ばれる円柱状の半導体材料を切り出し,削り、磨き上げることでできる「ウエハ」に電気回路を形成して作られています。私はその工程で、ウエハにダメージを与えることなく、より薄く、より平坦に、より小さくするための研削加工の研究を行っています。
砥石で材料を研削したり、研磨したりする加工は古くから行われていますが、そのメカニズムについては、ブラックボックスと言われるほど解明が進んでいません。砥石は「砥粒」と呼ばれる小さなカッターのようなものを結合剤でつないでできているのですが、「砥石が材料の上を走るとき、いったいどの砥粒が実際に材料を削っているのか?」といった詳細がほとんど分かっておらず、多くの研究者がその解明に尽力されています。そこで私は砥石と材料の間で新たな比を定義し加工評価を行うことで研削の仕組みを明らかにし、ブラックボックスをこじ開けようとしています。この理論がひらめいたときは、あまりの嬉しさに恩師の部屋に飛び込んでしまったほどでした。最終的には、このブラックボックスを完全に解明することが今の夢です。
研究は簡単に結果が出るものではないですし、苦しい時期もありますが、その長く暗い道をひらめきが照らしてくれることがあります。そして、この一瞬のひらめきを形にするためには、知識や経験を積み上げておかなければなりません。どうしても形にすることが難しい場合でも、知識と経験を活かせば、別のやり方に方向転換することもできるのです。
卒業研究で探求することの面白さや楽しさに開眼
高校生の頃は、まだ専門的に学びたいことや将来の道が見つからず、夢を実現するために進学先を選んでいる同級生をうらやましく思いながら、半ば就職するような気持ちで防衛大学校に進みました。2年次には、先輩から勧められた「機械システム工学科」を選択しましたが、試験前に一夜漬けでなんとか単位を取得するような大学生活でした。転機となったのは、4年次に取り組んだ卒業研究です。テーマは、「リニアモータ駆動水静圧案内テーブルの動特性」。試行錯誤しながら課題を解決するうちに、自分で考えることの面白さや、考えた末に新しい何かを見つけられたときの楽しさを知り、将来は研究を仕事にしたいと思うようになり、大学院に進んで博士号を取得しました。
高校時代は特別にやりたいこともなかった私が、興味の対象を見つけて現在の道に進むことができたのは、大学や大学院時代に素晴らしい指導者のもとで学ぶことができたからだと思っています。恩師のように、すでに夢を持っている学生にはより高いレベルで実現できるよう、まだ夢を見つけられずにいる学生には夢が見つかるよう、その手伝いができたらと思っています。

精密機械システム研究室
超精密工作機械などに用いる精密な機械システムを開発
当研究室では、新しい超精密な機械システムの開発と制御について研究しています。開発している機械装置の用途は、主に工作機械、特に超精密工作機械や半導体製造で、これらにはナノメートルオーダーの極めて高い運動精度が求められます。その実現のために、機械装置を流体の圧力によって浮上させる技術を開発し、特許も取得しました。 また、設計用プログラムの開発、三次元CADによる設計、開発した機械装置の性能評価などにも取り組んでおり、一部の研究は企業と共同で研究を進めています。研究室の学生には、国際会議に参加して、英語による研究発表を行う機会を設けています。このように学外の機関などと積極的に関わることで、広い視野を養ってほしいと思っています。
Photos
地域課題
SDGs・地域課題について
空気や水を作動流体とした静圧軸受の開発、半導体デバイス製造プロセスの時短化。
その他、真珠の使用に伴う劣化を明らかにし,長期利用が可能になる保管方法や使用方法を研究しています。