Yamauchi Daisuke

山内 大介 特別助教

所属
工学部
応用物理学科
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専門分野

宇宙論、重力理論

キーワード

Profile

生年/1983年
出身地/愛知県豊橋市
血液型/B型
家族構成/妻
子供の頃の夢/宇宙の研究者
尊敬する人/大学院の指導教官、中学時代の塾講師
好きな食べ物/鮭、鰻、チョコ、ヨーグルト
好きな国/日本

宇宙の構成要素の95%はまだわからない。 その謎に迫ろうとするのが「宇宙論」です。

ダークマター(暗黒物質)は「何だかわからない物質」のこと

私の研究テーマは『宇宙論』と呼ばれるものです。簡単に言ってしまえば、「我々の住むこの宇宙はどうやって始まったのだろう?」、「この宇宙はどうやって星や銀河のような豊かな構造を持ったのだろう?」、「宇宙の将来はどうなるのだろう?」といった素朴な疑問に科学的に迫る学問です。宇宙の研究をしているというと、「望遠鏡を覗くんですか?」と言われることが多いのですが、私が研究しているのは星ではなくて宇宙そのものです。
最近になってようやく、宇宙の大雑把な進化については研究者間で共通の理解を得るまでになりましたが、まだまだ宇宙は謎だらけだというのが現状です。それでも20年ほど前は、宇宙がどういう構成要素でできているかということさえわからなかったのですが、ここ10年ほどで「宇宙の構成要素の95%が私たちがまったく知らない物質で占められている」ことが判明しました。「ダークマター(暗黒物質)」という言葉を聞いたことはありませんか? 「暗黒」と言われるとなにかそこに意味があるように捉えられてしまいそうですが、私たち研究者の世界ではわからないことには「ダーク」をつける慣習があり、「ダークマター(暗黒物質)」というのは単純に「何だかわからない物質」ということです。さらに宇宙には「ダークエネルギー」という既存の物理法則ではおそらく説明できないであろう何らかのエネルギーも存在していて、宇宙をつくっている構成要素の95%はそうしたダークマターとダークエネルギーに占められているというのです。言いかえれば宇宙の95%は未だに「なんだかわからない」ということですね。
さらに、宇宙が加速度的に速く膨張していることがわかったりもしていて、宇宙に関しては現代の物理学では理解できないことばかりです。これらの正体を明らかにしていくことが現代宇宙論の目標で、私は「宇宙の相転移」や「重力理論」をキーワードにして、こうした宇宙の謎に迫っています。

物理学は単なる式ではなく、現実世界を表現するもの

授業では工学部の1・2年生を対象とした「物理学実験A」、「物理学B」を受け持っています。「物理学実験A」では、どの専門分野を選択するにしても必要となる科学的な思考力を、基礎的な物理法則の実験を通して培うことを目標としています。実際に自ら体験することを通して、物理学が教科書に載っているただの式ではなく、現実世界(の少なくとも一部)を表現しているということを学んでもらえるはずです。「物理学B」では、電磁気学という工学では避けて通ることのできない分野について講義と演習を行っています。できるだけ他の分野ともつながりのある事柄を取り上げ、各自に専門分野との関連性をイメージさせるようにしています。
また、「情報とコミュニケーション」では1・2年生を対象として、大学での学びに必要となる情報機器活用能力を身に付けるための授業を行っています。コンピュータに初めて触れる学生にも理解できるような授業を心がけています。

人に「1」説明するためには、「10」の勉強が必要

学生の皆さんには大学在学中に何か夢中になれるものを一つでも見つけて、とことんまで突き詰めて欲しいです。これは勉強には限らないので、部活動やサークル活動だったりアルバイトでもかまいません。好きで学んだものからは、受け身の勉強では得られない多くのことを吸収できます。私もふとしたときに、大学で夢中になって学んだ講義や実験でやったことの重要性に気付かされることがあります。
また、仲間を見つけて議論することも大事です。私は大学時代、物理が好きな同期の友達数人で集まって自主ゼミばかりしていました。よくわからなかった部分について夜遅くまで色々と言い合っていた経験が今の私を形作っています。
「自分の考えをまとめ、相手が理解できるような平易な言葉を選び、伝えようとする」という行為は、それ自体が自分自身の理解を大いに助けてくれます。物事を、それをわかっていない人に伝えることはとても難しいものです。人に「1」伝えるためには「10」勉強しなければいけません。それが、自分の知識や理解を深めることになるのです。そして「人に説明する」練習は、学問にはもちろん、将来、社会に出てどんな分野に進んでも役に立つことでしょう。

Photos

  • 高校時代にNHK特集で見て衝撃を受け、この世界へ進むきっかけにもなった「ブレーンワールド」について特集されている月刊誌『数理科学』(サイエンス社)と『ホーキング、未来を語る』(アーティストハウス)。どちらも大学時代に買った愛読書

  • スタンフォード大学とケンブリッジ大学で買ったマグカップ。理論学者にはコーヒー好きが多く、「コーヒーを論文に変える」と言われるほどです

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