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館内での展示

2010年6月 2日

『本草図譜』に見る春と夏の草花

 『本草図譜』は文政13年(1830)~天保15年(1844)に刊行された我が国初の本格的彩色植物図鑑です。作者は岩崎灌園(かんえん)。幕府の徒士(かち)で、剣や槍を使う家柄の出身です。直参の幕臣がこのような作品に才能を発揮できたということは、徳川の平和な時代が長く続いたことを反映しており、当時の幕臣達の置かれた状況が垣間見える資料としても大変興味深いものです。また、文化文政時代の豪華さと贅沢さを存分にうかがい知ることの出来る内容でもあります。

 『本草図譜』は約2,000種の植物が、伝統的な本草学の手法で分類されており、薬用植物だけでなく、野生植物、園芸植物、食用植物、工業植物も含まれています。本草学(ほんぞうがく)とは本来、医薬に関する学問ですが、収録された植物種は本草学の枠に収まりきれない多様さをみせており、植物好きの灌園の編集方針が大きく反映されていることが伺えます。

 今回の展示では、『本草図譜』の膨大な植物種の中から、特に春と夏に咲き誇る花々を中心に展示しています。華やかな雰囲気を楽しんでいただければと考えております。

『本草図譜』に見る春と夏の草花 展示風景

展示期間

2010年4月5日(月)~季節の移ろいに合わせて終了

会場

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