竹山団地プロジェクト

2020年から、神奈川大学と神奈川県住宅供給公社は連携・協力に関する協定を締結。地域活性化と学生の健全育成を目指し、神奈川大学サッカー部は『F+1』をさらに発展させた「竹山団地プロジェクト」をスタート。横浜市緑区にある竹山団地を全部員 (一部の学生スタッフを除く) の学生寮のように活用しています。
また、竹山連合自治会や神奈川県住宅供給公社と連携し、周辺地域の活性化や地域コミュニティの課題解決に繋がるSDGs活動を展開しています。

F+1
神奈川大学サッカー部が掲げる『F+1』とは、『Football + 何か1つ』という意味で、フットボーラーとしてサッカー部に参加することはもちろん、別な形で社会に対してもうひとつ参加することを目指しています。

プロジェクト課題と目的

竹山団地は、供用開始から50年以上経過する郊外住宅団地で、高齢化率が約45%と区内で最も高く、高齢者の介護予防・健康増進、コミュニティの活性化等が課題となっています。また、団地センター地区では銀行や商店等が撤退し、生活利便の低下、来街者の減少等が起きています。
そこで本プロジェクトでは、団地内センター地区の空き店舗等を改修し、介護予防と参加型の健康スタジオ、多世代のつながりづくりの拠点施設として整備し、神奈川大学サッカー部員が施設の運営にあたります。介護事業者による運動プログラムの作成、大学生や地域住民によるスタッフ参加等、地域ぐるみで高齢者の健康指標改善とコミュニティの活性化を図り、事業効果の検証を行っていきます。

地域との関わり

神奈川大学サッカー部の学生たちは、竹山連合自治会と連携し、さまざまな地域活動行事(花火大会、防災訓練、イルミネーション飾り付けなど)をサポートしたり、近隣の小学校への学習支援や学校行事のサポートをしたり、竹山団地に住む高齢者を対象としたスマホ教室の支援を行うなど、地域住民の皆さんとの交流を深めています。

施設紹介

未来研究所15 竹山セントラル

未来研究所 竹山セントラル

竹山セントラルは、地域の皆様の「健康促進」「生活習慣改善」「コミュニティの場」を目的に造られた未来研究所です。
スタジオスペースでは、健康体操教室やヨガなどのプログラムが受講できます。また専門スタッフによる個別の健康相談や運動指導のサポートが受けられるプログラム(一部有料)の実施も予定しています。
どなたでも無料でご利用いただけるコミュニティスペースでは、神奈川大学サッカー部の学生が子どもたちへの学習支援教室や高齢者へのスマホ教室などを実施いたします。

空気研究所7 竹山エアラボ

空気研究所 竹山エアラボ

竹山エアラボは、ダイキン工業株式会社の低酸素システムを導入した最新鋭のトレーニング施設です。
施設内の酸素濃度を18.2%~13% ※(標高 1,200m~3,900m相当)の範囲でコントロールできるため、低酸素環境下でトレーニングが可能となっています。
低酸素空間でのトレーニングを行うことができれば、通常の運動より短時間・低強度の運動で健康を保つことができるため、アスリートだけではなく、高齢者や運動習慣のない方にも適した環境を作ることが可能です。
神奈川大学サッカー部をはじめとするアスリートの競技力向上、そして地域住民の健康を増進する施設として期待されています。

食文化研究所 竹山キッチン

食文化研究所 竹山キッチン

竹山キッチンは、食事の時間を共有することで学生間だけでなく、学生と地域住民、団地住民と地域住民など、新たな繋がりが生まれるみんなの憩いの場。
長らく空いていた商店街の一区画に誕生したこのカフェは、神奈川大学サッカー部の食堂として利用されるだけでなく、時間帯に応じて誰でも食事を楽しめる場として開放されています。地元のパンや学生が育てた新鮮な野菜を使った料理を提供し、スパイス料理教室や子ども料理教室などのプログラムも展開しています。

研究対象としての竹山団地

人間科学部

人間科学部の松本安生教授によるプロジェクトでは、竹山団地において高齢者の社会的孤立と心身の健康に関する現地調査を行いました。
また、この調査を基にして、同じく人間科学部の笹川俊准教授のゼミナールでは、卒業生(2023年卒:荒川あいさん、古山愛海さん)の二人が卒業論文を執筆しました。
さらに松本教授と笹川准教授がこの卒業論文をブラッシュアップする形で論文が作成され、科学誌のFrontiers in Aging Neuroscienceに掲載されました。 なお現地調査では、竹山団地内の竹山キッチンを活用してデータ収集を行っています。

建築学部

令和4年度に、神奈川県住宅供給公社が代表提案者、学校法人神奈川大学、そしてNPO法人KUSCが共同提案者となり、国土交通省補助事業「人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業」に『竹山団地における遊休資産活用型・産官学民連携による「健康・つながり・まち」』を提案し、選定されました。
この提案には、建築学部の[まち再生コース]都市計画研究室の教員・学生が一体となって、竹山団地センターゾーンに点在する有休施設を活用した新しい団地のカタチを示しました。
2024年12月、竹山団地に誕生する未来研究所「竹山セントラル」および空気研究所「竹山エアラボ」は、この研究活動の一つ大きな成果です。

関連リンク

地方住宅供給公社法に基づき、住宅の不足の著しい地域において、住宅を必要とする勤労者に居住環境の良好な集団住宅等を供給することで、住民の生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的に設立された法人。神奈川県内に約1万3千戸の一般賃貸住宅や高齢者住宅を所有し、安定した不動産賃貸事業の運営を行うとともに、保有する団地を中心とした資産を持続可能な社会の再構築のために利活用しています。
主に神奈川大学サッカー部の活動を支援する団体です。多世代の人々のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上に寄与するために、スポーツの強化・普及に関する活動を行うとともに健康的な生活を送る上で欠かせない栄養・休養・運動の質を高めることの重要性を伝えるためにクラブハウスを運営地域の様々な団体と連携し、社会参加の機会を創出しながらまちづくりの推進にも積極的に関わり、人と地域を結ぶ一助となる事業を行っています。