JINDAI CAREERS|神大OB・OGを定期的にご紹介。先輩たちのキャリアが、あなたの「道しるべ」になる。 JINDAI CAREERS

研究に没頭するため大学院へ。2年間の経験の一つひとつが、今の私をつくってくれた。中川 優香さん/内定先:ユシロ化学工業株式会社/沖縄県出身

研究に没頭するため大学院へ。2年間の経験の一つひとつが、今の私をつくってくれた。中川 優香さん/内定先:ユシロ化学工業株式会社/沖縄県出身

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大学院は研究を行うだけではない総合的な成長を実感できる

高校生だったある日、何気なく目にした洗顔料の成分表に、ちょうど化学の授業で習ったばかりの物質名が記載してあることに気付きました。自分の学びと日常生活がつながっていることを初めて実感、その感動がきっかけで化学の道を志すようになりました。
所属する研究室では、「生物と無生物の境目を見極める」というテーマを掲げる菅原先生のもと、私は人間の脳のニューロンネットワークを化学物質で再現する研究を行っています。将来的に実用化されれば、これまでにない新しい記憶材料としての応用が期待できますが、今はまだ地道な基礎研究の段階。仮説を立てて実験を行い、得られたデータを検証して、さらに実験を重ねる。納得できるまで研究を深めるためには、大学院の2年間が必要でした。その判断は正しかった。自分の好きなことに没頭できる時間を得たおかげで、有意義に研究を続けることができました。
進学してみたらうれしい誤算もたくさんありました。まず、先生と話す機会が劇的に増えたこと。知識も経験も豊富な先生からは、自分が思いもしなかった視点からの考察をいただくことも多く、それが研究の突破口となることもあります。そして、学部生の頃と比べ人との出会いの幅も大きく広がりました。学会などで他の研究室や他大学の方と触れ合う機会があるほか、何より刺激的だったのが海外の学生との交流です。
台湾の大学へ研究科のメンバーで訪問し、その縁で現地の学生を日本に招き共同研究発表会を行ったり、タイからの留学生に神奈川大学の研究を体験してもらうなど、「化学」という共通項を持ちながらも、文化や価値観が異なる人たちと話す機会も多く、自分の視野を広げてくれる貴重な経験となりました。研究を深める過程で出会った人たちが、私を研究者としてはもちろん人間的にも成長させてくれたと感じています。

学外での活動もキャリアを形成する糸口となった

6年間続けている塾講師のアルバイトにもキャリアを考えるヒントがありました。担当教科の授業を理解してもらうのはもちろんのこと、担任している生徒と接する中から学力向上につながる課題を見つけ、解決に導くことも重要な仕事のひとつです。生徒の苦手な教科が私の担当とは限らないため、全教科の講師陣が協力し合ってはじめて学力向上という成果が出せる。この経験を通して、私は協力して成果を出す過程にこそやりがいを感じるのだと気付きました。もともと、研究を生かせる職に就きたいと考えていましたが、「チームで協力して成果を出す仕事がしたい」と、人と人とのつながりを大切にする企業を志望するようになりました。そうして巡り会えたのが、化学工業メーカーの「ユシロ化学工業」です。
念願かなって、春からは同社の生産技術部門で働きます。開発部門が商品化したものを、高い品質で効率よく量産する方法を考えるのが生産技術部門。より良いものづくりを実現するためには、チーム内はもちろん、社内外の関係者との協業が不可欠で、そこに魅力を感じています。「協力して成果を出す」という大学院生活で見つけたやりがいを、きっとこの仕事でも得られると今から期待に胸を膨らませています。

※内容はすべて取材当時のものです。

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