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本気で研究するには、大学院での2年間が必要だった。佐藤 和さん/株式会社横浜八景島/神奈川県出身

本気で研究するには、大学院での2年間が必要だった。佐藤 和さん/株式会社横浜八景島/神奈川県出身

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知られていない生物を追えば、その世界の先駆者になれる。

「生き物って不思議。もっと知りたいし、ずっと観察していたい」。その想いが生物の道を志した私の原点です。
研究フィールドは海の中。テーマは、毒ウニの一種であるガンガゼに寄生する巻貝『ガンガゼヤドリニナ』の生態についてです。ダイバーから嫌われ、食用にもならないガンガゼとその寄生生物。研究例が少ないので、そこに着目して彼らの生命の仕組みを解明できれば、先駆者になれるかもしれない。そこに魅力を感じて、これまで研究を続けてきました。
生物には産卵など一定のサイクルを繰り返す性質があるため、継続した観察が必要です。1サイクルのデータでは海水温など特有の条件による影響が検証できず、研究の信ぴょう性は低くなってしまいます。大学院の2年間を視野に入れれば、3年間という長期の計画を立てて研究を進められるのではないか。そう考えたのが、大学院への進学を決めた理由です。
野外での追跡調査をするために潜水士免許とダイビングのライセンスを取得した私は、静岡県・土肥と三重県・尾鷲の海に潜り、エリアでの比較も行いながら継続的な観察を実施。地元のダイバーや研究者の方々の協力を得て、ついにガンガゼヤドリニナの雄の殻形態には3つの種類があることと、それぞれの寿命や寄生のタイミング、生活パターンを明らかにすることができました。
春からは大好きな水族館の飼育員として働きます。新しい発見をしたら、誰かと驚きや喜びを共有したい。子どもの頃に生き物に触れたときのワクワクした気持ちを、一人でも多くのお客さまに伝えていきたいと思っています。

※内容はすべて取材当時のものです。

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