工学部経営工学科 翁研究室の4年生及び修士2年生、4テーマ5名（橋本悠汰さん、長谷川晴海さん、田中優希さん、海瀬蒼太さん、出口拓海さん）がNTTデータ数理システム学生研究奨励賞を受賞しました。
また、優秀賞の橋本悠汰さんと秀作の長谷川晴海さんは2月10日に開催された「NTTデータ数理システム アカデミックコンファレンス2022」にて、受賞テーマに関する成果発表を行いました。

同賞は、株式会社NTTデータ数理システムのソフトウエア*を用いた学生の学術研究の支援・啓蒙および発表の場の提供を目的とし、同社が主催している公募型の研究奨励賞で、優れた数理科学領域の研究成果に対して表彰されるものです。
*対象ソフトウエア：Visual Mining Studio / Text Mining Studio / S4 Simulation System / Visual R Platform / BayoLinkS / Numerical Optimizer

【受賞者】

長谷川晴海さん

【テーマおよび内容】

オフィスワークにおける業務標準化の有効性定量評価

S4 Simulation System（エスクワトロ）のエージェントシミュレーションを用いてオフィスワーク現場の特性や従業員の行動を表現したモデルの構築を行い、オフィスワークにおける業務標準化（手順書の導入）の有効性を定量的に評価しました。オフィスワーク現場の負荷率を変化させたいくつかのケースで検証を行い、負荷率が高い現場では業務標準化が長期的に有効であるということを確認しました。

【受賞コメント】

この度、このような賞を頂けたことを大変光栄に思います。本研究は実際のオフィスワーク現場を再現したシミュレーションモデルを０から構築する必要があり日々試行錯誤の繰り返しでとても険しい道のりとなりましたが、翁先生、赤坂先生、株式会社オフィスソリューションの宮崎さん、日本経営工学会の田中さんのご指導により、最後まで研究をやり遂げることが出来ました。皆様に厚く御礼申し上げます。

【受賞者】

田中優希さん

【テーマおよび内容】

検査設備配備計画の評価

私の研究は車載オーディオの電子基板を製作する工場を対象にした、検査設備の投資計画を評価する内容です。投資計画は通常、短期間を考慮し立案や修正しますが、それではその場しのぎの投資となる場合があり、長期的な投資計画が必要と考えました。共同研究者が立案した中長期スパンの設備投資計画に対して、予測生産量の誤差や設備の停止など、実際の現場で発生する変化を考慮したシミュレーションモデルを作成し、それらの変化が投資計画案に与える影響の検証実験を行いました。

【受賞コメント】

この度は佳作に選出いただき、大変光栄に感じております。本研究は多くの方々のご助力をいただき、完成させることができました。ご指導いただきました翁嘉華教授、赤坂信悟助教、共同研究者である彭さんに厚く御礼申し上げます。学部生時代にこのような賞を頂けたことは、自信につながる良い経験だと思います。この経験を生かして、今後の研究活動に邁進していきたいと思います。

【受賞者】

海瀬蒼太さん、出口拓海さん

【テーマおよび内容】

不確実性を考慮した生産スケジューリング法の検証

金型を製造する工場の加工職場を対象に、人が行う段取り作業が作業者の技能度によって作業時間の変化幅が異なることと、生産実行段階に修理などの急な依頼が頻発するという2つの特徴を考慮できるスケジューリング法を提案し、提案法で求めたスケジュールの頑健性検証をシミュレーションで行いました。シミュレーションでは実際の現場に近い環境を作成し前記2種類の不確実性を発生させ、提案したスケジュールの有効性を確認しました。

【受賞コメント】

この度は学生奨励賞佳作賞に選出していただき誠にありがとうございます。今回貴重な機会をくださったNTTデータ数理システムの皆様、また日頃からご指導頂いている翁先生、赤坂先生に深く御礼申し上げます。