国策紙芝居の現場を訪ね、隠れた資料を掘り起こし、現地の人々の戦時下の経験と出合う。本書はそうした触発力に満ちた交流の記録である。(安田 常雄)
- 編者
- 大串 潤児
- 定価
- 本体1,000円+税、A5判
- ISBN
- 978-4-275-02160-1
世界、社会、文化、人間を見つめ直すわかりやすいアカデミック・テキストです。
『神奈川大学評論』の批評精神に基づき、大学の創出する研究、教育の理想を内包しつつ、学内外の執筆者によって歴史・文化・思想・人権・ジェンダー・生命など多領域を扱い、「開かれた大学」として高校生・大学生・社会一般に向けて、文化・学術の発信を試みます。
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国策紙芝居の現場を訪ね、隠れた資料を掘り起こし、現地の人々の戦時下の経験と出合う。本書はそうした触発力に満ちた交流の記録である。(安田 常雄)
明治維新から戦前昭和期までの、南洋への移民、移住、海外出稼ぎの歴史について、豪州木曜島および、日本人移民の先駆者である横尾東作・森小弁・小嶺磯吉・細谷十太郎など、人物を中心として描く。
内村鑑三の公教育批判と「市民の自己教育」の重要性を再認識する。内村鑑三の生涯とその継承者たちの活動を通じて、明治維新前後から現代までの日本を視野に入れて、公教育と私教育の両方を含む日本の教育全般の本質的性格に迫る。
原子力発電をやめる工程は、原子力ムラなどの存在を許さない、より公正で透明性の高い社会を実現する道筋の必須の要素となるだろう。脱原子力発電は放射能による危険を排除することにとどまらず、人が人として生きていくより健全な社会を作るために必要な過程だ。
近代日本において、日本人の海外進出や大日本帝国の「勢力圏」の拡大に伴って、アジア地域を中心に海外に多くの神社が建てられた。これらの神社は「海外神社」と呼ばれている。海外神社は「大日本帝国」の崩壊とともに、その機能を停止したが、本書はその機能を停止した海外神社(跡地)が、現在、さまざまに景観を変容させて存在していることを明らかにした。さらに、その変容の要因を分析することにより、海外神社(跡地)の現在の姿は、たんに過去(戦前)の残影、残滓というよりも、当該地域・国の現在(いま)をあぶりだすものになっていることを明らかにした。
日常、私たちが改めて意識することのない「歩く」という行為を、実験展示「あるく-身体の記憶-」という展覧会を通して、生活文化である民俗として捉えなおす。
朝鮮時代(1392-1910)に描かれた複数の風俗画から発信される人々の姿や行為、特に女性の生活文化を読み取る。
市民にとってより良い博物館活動とは何か――博物館の歴史をひもとき、近年の学芸員や博物館学に関する各種論議を紹介しつつ、21世紀の博物館の課題と展望を提示する。
明治中期、映像で災害を捉える時代が開かれた!災害の実態写真などを紹介しながら、伝え手とその受け手も含め、その時代の情報空間を考える。
文献資料(専門書、体験記、日記、新聞など)とオーラル・ヒストリーの方法を併用し、高度経済成長期の東京都におけるゴミの処理・処分に関する紛争を浮き彫りにする。
『東海道名所図会』が描いた各地の生活・生産場面を重点的に取り上げ、一八世紀末の東海道沿いの生活を、絵引きの方式によって生き生きと蘇らせる。
菅江真澄自身がアイヌ文化に対してどのような関心や眼差しを持っていたのか明らかにしながら、真澄の記述と絵図によって一八世紀末頃の道南アイヌの生活文化の具体相を読み解いてみようと思う。―「はじめに」より
私の環境倫理学という畑を掘り返して、土の中に埋もれている論点の筋目を明らかにしようと思った。百年先の我が家、百年先の日本、百年先の世界について、具体的なイメージを持つこと、そして大きな困難を解決する方法を考えること、そういう長い目を養うことが大切だということを私はこの本で語りたかった。―「あとがき」より
代表的著作さらに写真論・現代アート論への思索の軌跡を辿り、特異な思想家の全体像を新たにする———ボードリヤールと親交のあった著者渾身の書き下ろし。
開港・開国という時代のなかで、人々がどのようにして生業の礎を築き、活路を切り開いていったかを、確かな資料と消えかかる記憶に導かれて描き出す。
平和運動から核武装論へと変転した知識人の軌跡から、戦後社会の変貌を問いなおす。
初代の天皇は女性だった—しなやかな感性で繙く『記紀』の世界。
左手で社説、右手で武きょう小説 ——— 中華社会の民族的作家の素顔に迫る。
14世紀イギリスの大詩人の生涯を、近年の中世交易ルートの諸研究を視座に入れて浮彫りにする。
司法制度改革の動きの中、法と裁判の仕事に長年関わってきた一法律家が語る、裁判の在るべき姿とは———。
柳田国男から宮田登まで、日本民俗学の発展に多大な業績を残した6名の研究とその個性的な生き方。
変貌する家族を通して現代社会を多元的に問う、ヨーロッパ家族政策の第一人者による書下ろし。
統合の動きを稠密に分析し、貧富の格差・民族・ロシアとの関係など21世紀の問題を探る。
突き進む情報社会に学校教育はどう対応するか。学修指導要領の改訂にともなう理想の教育とは。
社会主義体制の枠内で進める「自由化」とは—。カストロのヒューマニズム思想は堅持できるか。
安里さんの言葉は沖縄の魂の化身として、いのちのつらなりの中を蝶のように飛びつづける。—高良留美子
生殖・遺伝・死の操作をめぐり、人間として超えてはならない限界と倫理のありかたを問う。
進化する宇宙の中の生命存在の意味を問い、人類の存在理由を解き明かす。
生き物と水、そして海との絆を再考し、地球の生態系に変動をもたらした高度文明への警鐘。
民俗学への開眼と展開、さらにその方法論の特色を抽出し日本民俗学の父像を浮き彫りにする。
フィリピン革命史のなかの英雄像をめぐる論争を検証しつつ「ポストコロニアル・スタディーズ」への扉を開く。
生涯をかけて、人間界にとって平等な自然をとりかえし、子孫へ残したいと希求する詩人の魂。
贈り物と交換という日常の行為とその歴史、そこから蔟生するさまざまな問題を通して人間性の総体を問う。
南方熊楠、アーネスト・サトウとの交友を始め、医師、弁護士としても活躍した日本研究の先駆者の全体像。
日本の伝統的な大工道具の秘められた歴史をとおし、それらの果たした足跡をたどる。
新政権誕生の背景と動向。日本政治のイノベーションの明示に向けて何を学ぶか。
「感性の歴史」の研究で知られるフランスの歴史学者、アラン・コルバン氏の語る社会史の方法と未来。[ 渡辺響子・訳 ]
子規にとって芭蕉とは—。発句を文芸として蘇生させた芭蕉から何を学び、自らの俳句観を形成していったのか。
「王」は供犠か、なぜ殺されるのか—。イギリス王室の歴史と女性君主の関わりを浮き彫りにする。
「民俗」とは何か? 社会現象と日常生活の慣習の中から「日本人と文化伝統」の関わりに迫る。
女性の生産労働と社会的役割の大きさを再評価し、新たな歴史認識の見直しを提唱する。