学長からのご挨拶

学長 小熊 誠/Oguma Makoto
創立者 米田吉盛による「建学の精神」の書

神奈川大学は、今、変化の中にいます。2020年度に国際日本学部を創設し、2021年度にみなとみらいキャンパスを開設しました。そこには、横浜キャンパスから外国語学部と国際日本学部、そして湘南ひらつかキャンパスから経営学部の3学部が集まりました。現在、世界では新型コロナウイルスの蔓延、国家間の対立、環境問題など複雑で解決困難な課題が山積していますが、日本から世界につながる窓口として発展しているヨコハマで、地球規模で物事を考えるグローバルな教育研究により、日本を学び、世界を学んでほしいと願っています。

さらに、神奈川大学は変化します。2022年度から建築学部が開設されました。建物を造るだけではなく、私たち人間が生活する空間や環境、まちそして安全性まで総合的に考える社会科学、人文科学、芸術学、人間科学、自然科学などを含んだ新たな「建築」学部です。

そして、2023年度には理学部が湘南ひらつかキャンパスから横浜キャンパスに移転します。理工系学部が横浜キャンパスに集結し、建築学部を含めた5学部に再編されます。理学部は、数学、物理、化学、生物、地球環境科学、総合理学の全分野にわたる1学科6コース制の新しい理学部に生まれ変わります。また、化学生命学部※が誕生します。化学と生物学を融合して学び、化粧品や食品などヒトや環境にやさしい“モノづくり”を研究するワクワク感あふれる新学部です。情報学部※も創設されます。コンピュータサイエンスを基礎から学び、システム構築やデータサイエンスなど先進的な情報技術を身につけるなど、変化の激しい時代にも対応できる新学部です。工学部もリニューアルします。従来からあるロボットや宇宙開発は今後も発展が期待され、生活・環境分野では、異分野間の融合的な分野横断型の教育プログラムを導入してグローバル工学人材を育成する新工学部が誕生します。(※設置構想中)

その他の学部でも、改革を検討していきます。このような神奈川大学の変化は、1928年に創設された当時から受け継ぐ「伝統」に裏打ちされています。創設者の米田吉盛先生は、「中正堅実」な青年を世に出すことを目的に本学を創設したと語っています。「中正」とは偏った思想を持たないということで、真理に基づいた考えを「堅実」に育むことを意味しています。この目的のために、本学が掲げた教育方針が「質実剛健」と「積極進取」です。「質実剛健」とは、堅固な思想を持ち、真理に対して誠実で正しい信念を貫くことで、正しい学問に取り組む大学の理念を示しています。「積極進取」とは、自由な発想を持って自ら積極的に新しい物事へ取り組んでいくことを表し、未来の変化に立ち向かう学生、大学人に必要な理念です。

この神奈川大学における建学の精神は、現在も受け継がれています。この建学の精神に基づいて、1949年に新制神奈川大学になった時から少人数教育に力を入れてきました。そして米田先生は、学問を中心にして人間形成を行うことを本来の大学の在るべき姿と述べています。

神奈川大学は、少人数教育と人間形成を基本に人を造る教育を行ってきました。それを基にしながら、現在は神奈川大学の変化を進めています。その先にある未来は、神奈川大学の教育を積極的に開発する内的変化です。大学として、新しい社会に対応する教育を開拓する。学生のみなさんとともに教職員が力を合わせて未来の神奈川大学を創り上げます。

神奈川大学長  小熊 誠