神奈川大学収書方針

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  • 神奈川大学収書方針の目的

    神奈川大学図書館は、神奈川大学(以下「本学」という。)の使命と目的を果たすために、教育研究に必要な図書及びその他の資料を収集管理し、利用者の用に供するとともに、文献情報その他の情報サービス並びに文化活動を行い、本学の教育研究の発展に寄与することを目的としている。この目的を実現し、本学の学術情報基盤の充実を図るとともに、社会における知的文化財の保存及び提供に貢献していくため、本学の「図書館図書収集管理規程」の趣旨を踏まえて以下のとおり収書に関する方針を定める。

  • 資料収集に関する方針について
    • 資料収集方針
      (1)
      「図書館の自由に関する宣言」(公益社団法人日本図書館協1954年採択1979年改訂)を遵守する。
      (2)
      利用者の資料要求を基本とし、本学の教育研究に資する学術的資料を中心に収集する。
      (3)
      資料の収集は、総合大学図書館として長期的展望に立って努める。
      (4)
      予算を効率的に運用するために、電子等多様な媒体で提供される資料にも十分留意し、学内での不必要な重複の回避に努める。
      (5)
      資料の収集は、資料種別と主題別の両面から行う。
      (6)
      各キャンパスの学部構成に配慮した分担収集に努め、相互利用を活用する。
      (7)
      本学以外の図書館との分担収集や共同利用についても考慮して収集する。
      (8)
      定期的な蔵書評価を行い、必要な資料の収集に努める。
      (9)
      対立する学説や意見が存在する問題に関しては、各立場の資料を公平に収集する。
      (10)
      特色ある資料群については、現在形成している資料群を更に充実発展させるとともに、新たな資料群についても模索していく。
      (11)
      本学の関係資料や教職員・学生等の著作の収集に努める。
      (12)
      原則として、永続的な利用及び保存に耐えうる媒体を収集する。
      (13)
      データベース等電子資料の導入を積極的に行う。
      (14)
      資料の収集管理は、原則として図書館が行う。
      (15)
      資料収集の最終選択権限と責任は、図書館長が有する。
      (16)
      教職員・学生等の理解と協力を得て、その知的関心、資料要求に応えられる蔵書を構成するために本方針を公開する。
      (17)
      本方針は、必要に応じて随時見直しを行う。
    • 重複
      (1)
      原則として、全ての資料において重複所蔵は行わない。
    • 寄贈
      (1)
      寄贈の受入れは、本学図書館の特色を考慮して判断し、蔵書の充実と学術資料の保管に努める。
      (2)
      大口の寄贈資料については、運搬費、整理費、書庫スペース等の問題を考慮して慎重に判断し、学術上必要な資料のみを受け入れる。
    • 保存・除籍・廃棄
      (1)
      本学図書館において中央図書館の機能を持つ横浜図書館を保存図書館とする。
      (2)
      利用価値が消失したと判断された資料については、除籍・廃棄を行う。
      (3)
      限られたスペースを有効利用するために、定期的に所蔵すべき資料を見直し、除籍・廃棄を行う。
      (4)
      除籍・廃棄については、「図書館図書収集管理規程」、「亡失除籍に関する取扱要領」、「廃棄に関する取扱要領」に基づき行う。
  • 資料種別収書基準
    • 図書
      (1)
      学生用図書
      本学の教育科目構成を考慮して、それらの学修・教育・研究のための資料を重点的、積極的に収集する。
      教科書に指定された資料については、原則として収集する。
      学生の教養を育む図書を収集する。
      入門書、概論書についても収集する。
      小説等の文学作品は、基本的なものや受賞作品等、特に必要なもののみ収集する。
      絵画、写真集等の美術書については、一定の評価を得ているものを中心に収集する。
      本学の教育科目構成にない言語については、入門書にとどめる。
      留学生の日本理解に資する外国人向けの基本図書を収集する。
      原則として、次のようなものは収集しない。
      (ア)
      ハウ・ツウもの、実務に偏りすぎているもの(進路・就職関係、情報関連マニュアル等を除く。)
      (イ)
      コミック類(全集・叢書に含まれるものを除く。)
      (ウ)
      政党、政治結社、宗教団体、企業、各国等の宣伝的な刊行物
      (エ)
      客観性に乏しく学術性が希薄な著作(専ら個人的な関心に基づいて著された自費出版物等。)
      (オ)
      ルーズリーフやパンフレット等形態上の理由から長期保存が困難な図書
      (カ)
      抜き刷、予稿集、速報類等より完全なものが刊行されることが確実な図書
      (キ)
      他大学における報告書、広報資料で本学の教育・研究に供さないもの
      (ク)
      その他多くの利用が見込めない趣味書、娯楽書、グラビア写真集、児童書等
      原則として、次の図書については消耗品として購入し、長期にわたって保存しない。ただし、図書館長が認めたものは除く。
      (ア)
      各種試験のための参考書や書き込み式の問題集
      (イ)
      旅行ガイド
      (ウ)
      コンピュータソフトの解説書
      (2)
      研究用図書
      研究用図書は、学術書、専門書を中心に収集する。
      研究用図書は、主にその分野の教員が選書をする。
      研究の資料となるものと、研究の成果を含む資料を一方に偏らないように収集する。
      本学で研究者が不在の領域、学際的領域、新興分野に関しては、基本図書を収集する。
      原則として、他大学の研究報告書等は、収集しない。
      (3)
      参考図書
      参考図書については、資料提供の利便性を考慮に入れ、電子版の導入を積極的に行う。
      白書等の政府刊行物を収集する。
      一次統計資料を収集する。
      常に最新版への更新に努め、旧版は除架する。
    • 逐次刊行物
      (1)
      雑誌
      学術雑誌を中心に収集する。
      継続購読が必要なタイトルを収集する。
      選定にあたっては、編集方針や発行機関等、個々の雑誌の評価を行う。
      電子ジャーナルも選定の選択肢とする。
      新規タイトルを選定する場合、電子ジャーナルがあるときは原則として、電子版のみとする。
      既に契約しているデータベースや学術機関リポジトリに収録されているタイトルについては、紙媒体のものは重複とみなす。
      不要な重複を避けるため、学内での調整を行う。
      原則として、加除式資料は購入しない。
      タイトルの見直しを定期的に行う。
      長期的に保存が必要な雑誌については製本し、資産管理をする。
      (2)
      大学紀要
      各大学、研究機関の紀要、研究報告書等は、各機関のリポジトリによる全文閲覧及び個別論文の複写依頼を活用することを前提として、原則として収集しない。
    • 新聞
      (1)
      全国紙、国内の主要地方紙、本学の立地に関わる新聞、主要外国新聞、主要業界紙等を収集する。
      (2)
      データベースも収集の選択肢とする。
      (3)
      学内で重複がある場合は、改めて必要性を検討する。
      (4)
      海外の新聞については、価格や提供スピードを考慮に入れ、電子版の導入を積極的に行う。
      (5)
      主要全国紙の縮刷版を収集する。
    • 視聴覚資料
      (1)
      学術的、教養的な資料を収集する。
      (2)
      映像資料については、原則として著作権処理済みの資料を収集する。
      (3)
      長期的に提供・保存できない媒体については、原則として収集しない。
    • データベース
      (1)
      原則として、オンラインのデータベースを契約する。
      (2)
      学内で契約するデータベースは、原則として図書館で管理、提供する。
    • 特色ある資料群
      (1)
      本学の特色を確認するための本学関係の資料や本学教職員・学生の著作、本学の立地に関わる郷土資料(神奈川県、横浜市、平塚市等)を積極的に収集する。
      (2)
      本学教職員・学生の著作については、資料の一部の執筆であっても原則として収集する。
      (3)
      既に特色ある資料群を形成しているものを発展・充実させる。
      (4)
      貴重書の収集については、「神奈川大学図書館貴重図書及び準貴重図書指定基準内規」に基づき行う。
      (5)
      本学学位授与対象論文等(修士論文、博士論文)は、網羅的に収集・保存し利用に供する。
      (6)
      博士論文については、原則としてデジタル化し、神奈川大学学術機関リポジトリで公開をする。
      (7)
      個人文庫として所蔵する場合は、図書館運営委員会で審議し、最終的には図書館長が決定する。
  • 主題別収書基準

    学生用図書の主題別収書基準を定めるにあたり収集レベルを以下のとおりとし、分類別に別途定める。

    • 網羅的収集(網羅レベル)
      (1)
      本学教職員・学生の著作物及び本学関連の資料(ただし、報告書の類はその都度判断する。)
      (2)
      特定の文庫・新書
    • 重点的収集(研究レベル)
      (1)
      設置学部学科研究科の主題(研究者レベルの要求を満たすような資料、研究のサポートに必要と思われる専門性の高い資料)
      (2)
      シラバスで指定された教科書
      (3)
      官公庁出版物、 政府刊行物(電子資料を含む。)
      (4)
      本学図書館で指定出版社としている出版社の資料
    • 収集(学習レベル)
      (1)
      カリキュラムにのっとった資料
      (2)
      シラバスで指定された参考書
      (3)
      購入希望が寄せられたもの(ただし、本方針にのっとったタイトルであること。)
      (4)
      主題知識をより高めるための、主として大学生の学習レベルに必要と思われる資料
    • 選択的収集(教養レベル)
      (1)
      教養を高めるための資料で、入門書、概説書レベルまでとする。
      (2)
      全集などのシリーズもの(叢書、講座類、文学の個人全集等)は、全てではなく、選択して収集する。
    • 厳選収集(最少レベル)
      (1)
      基本的な著作、重要性が高いと思われる資料以外収集しない。
    • 収集しない
      (1)
      一切収集しない。どうしても必要な場合は消耗品として購入する。

以上

附則
本方針は、平成29年4月1日から施行する。

附則(令和6年2月21日改正)

1
本方針は、令和6年4月1日から施行する。
2
本方針Ⅲの1.の(1)ケ(イ)の定めにかかわらず、グラフィックノベル等でしか刊行されていない資料が、教育・研究対象の拡大等により必要な場合は、原作と重複所蔵にならないよう留意したうえで、収集することができるものとする。