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館内での展示

2012年7月24日

<特別展> 宇宙開発の未来 (7/20-9/30)

今回の展示は「宇宙開発の未来」をテーマにJAXA(独立行政法人 宇宙航空研究開発機構)の協力を得て日本の宇宙開発の先端技術であるH-IIA/Bロケットや宇宙ステーションなどをパネルで解説するとともに、未来の宇宙輸送技術である宇宙エレベーターの紹介を行います。また、工学部機械工学科の江上研究室と神奈川大学 宇宙エレベータープロジェクトの学生達が毎年開催されている宇宙エレベーター技術競技会(宇宙エレベーター協会主催)において他の大学や社会人チームと競い合いながら、基礎技術の開発を目的に日々研究している成果も紹介しています。
夜の空に輝く星々を見つけたら、展示会場で星々に近づく技術も是非ご覧下さい。

はじめに

宇宙旅行の夢や構想は19世紀頃からありましたが、現実的な宇宙開発は1950年代からアメリカ(参照1)と旧ソビエト連邦(参照2)で開始されました。
一方、日本の宇宙開発は糸川英夫博士(東京大学)が1954年頃からペンシルロケットと言われる直径1.8cm、長さ23cm、重さ200gの小型ロケットを使用した基礎研究が始まりと言われています。(参照3)
それから50年後の今日では国産のH-IIBロケット(直径5.2m、長さ56.6m、重さ531t)(参照4)などによる国際宇宙ステーションへの物資の自動補給(こうのとり)や人工衛星の打上げを実施できるまでに進歩しています。また、国際宇宙ステーション(ISS)(参照5)は日本の実験棟「きぼう」の他、各国の実験モジュールや居住モジュール、開発した要素(パーツ)で構成され、全体は大きめのサッカー場程になります。そのような巨大な建造物が地上から約400kmの地球の周りを1周約90分で回り続けています。(目で見たい人はJAXAの目視予想情報を見てください。http://kibo.tksc.jaxa.jp/)しかし、誰でもが簡単に宇宙旅行に行ける訳ではありません。地球の重力を脱して宇宙空間に行くには第2宇宙速度(または脱出速度)(参照6)で飛び出す必要があり、その速度は約11.2km/s(時速約40270km)なので激しい訓練を受けた人以外は難しいと言われています。でも、最近では民間の会社が宇宙旅行ビジネスをはじめています。それは弾道飛行と言われる地上約100kmを飛行し6分間程度無重力状態と景色を楽しむツアーで、高額な料金ながら多くの人が予約しており、日本人も数名参加しています。これら宇宙空間へ行く手段はロケットあるいはジェット機とロケットの組み合わせで地球の重力を脱していますが、もう一つの輸送技術としてエレベーター(当時は電車やケーブルカーと表現)で宇宙空間まで行けるのではと考えたユーリイ・アルツターノフが1960年代に旧ソビエト連邦で論文を発表しています。(参照7)
当時の技術では夢のような話でしたが、1979年にSF作家のアサー・C・クラークが宇宙エレベーター建設を題材とした「楽園の泉」を発表、同年チャールズ・シェフィールドが「星々にかける橋」をそれぞれ発表して、この新しい宇宙輸送技術が広く知られるようになりました。
実際の宇宙エレベーター建設では、地上36000kmの静止軌道上のステーションからテザー(テープやロープ状もの)を地表まで垂下して、地上(海上)の基地まで届かせるという壮大な計画ですが、当然様々な困難があります。しかし、最大の困難であるテザーの材質に新しく発見されたカーボンナノチューブ(NECの飯島澄男博士、1991年)が適合できそうだと分かると現実味が増して、2000年にはNASAの依頼によりブラッドリー・C・エドワース博士が研究を開始し、一般向けの書籍として『宇宙旅行はエレベーターで』(ランダムハウス講談社, 2008.)を出版しています。
日本では、2008年より宇宙エレベーター協会(参照8)が設立され啓発活動を続けていますが、その中でも宇宙エレベーター技術競技会は基礎技術の開発や諸データの収集を目的として毎年開催され、今年は地上から1.2kmの地点まで到達できる自立型の昇降機を競わせる実験的な競技会が開催されます。神奈川大学では、共催大学として支援をしているほか、工学部機械工学科の江上研究室が第1回大会から参加し、優勝を含め多くの賞を獲得していますので、その健闘の様子をパネルでご紹介しています。
みなさん、今の宇宙開発の現状と未来の技術を展示会場でご覧下さい。


ここには参考となるWebアドレスを記載いたしましたが、詳しくは図書館で!
1)http://history.nasa.gov/brief.html
2)http://spacesite.biz/russia.story.top.htm
3)http://www.isas.jaxa.jp/j/japan_s_history/chapter01/index.shtml
4)http://www.jaxa.jp/projects/rockets/h2b/
5)http://iss.jaxa.jp/iss/about/
6)http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/astronautical_velocity.html
7)http://blog.goo.ne.jp/orbitalelevator/e/0633e732396403fa629f16606caeea13
8)http://jsea.jp/

展示の様子


1. 展示会場 全景


2. 展示会場 正面パネル


3. 国際宇宙ステーションのこれまで、そしてこれから。


4. 地上約400kmを周回するISS


5. 宇宙エレベーター完成予想図


6. 宇宙エレベーターの仕組みや今後の課題に関する解説.


7. 聳え立つH-ⅡA・Bロケットの模型


8. H-ⅡA・Bロケットの性能も解説


9. 1760回以上の打ち上げ実績を誇る(2010年時点)ソユーズロケット


10. 第3回宇宙エレベーター技術競技会in富士宮市の様子


11. 第3回宇宙エレベーター技術競技会in富士宮市の様子


12. Kanagawa Univversity,Space Climber-Ⅲ Rev.(KSC-Ⅲ Rev.)の実物


13. KSC-Ⅲ Rev.側面


14. KSC-Ⅲ Rev.の構造も詳細に解説


15. 第3回宇宙エレベーター技術競技会in富士宮市にて


16. 第3回宇宙エレベーター技術競技会in富士宮市にて


17. 2011年に神奈川大学附属中・高等学校で実施されたレゴクライマーレース


18. 2011年に神奈川大学附属中・高等学校で実施されたレゴクライマーレース


19. クライマーレースで実際に使用したレゴクライマー


20. クライマーレースで実際に使用したレゴクライマー


21. ロシア製/オーラン宇宙服の解説


22. オーラン宇宙服のグローブ


23. グローブの中


24. 日本実験棟<きぼう>.


25. 2012年夏長期滞在任務開始!!


26. 会期中、展示品の一部入れ替えがあります。お早めにご覧下さい。

展示期間

2012年7月20日~9月30日予定

会場

神奈川大学図書館1階展示コーナー

会期中、展示品の一部入れ替えがあります。ご了承下さい。

お問い合わせ先

お問い合わせ先

神奈川大学工学部 宇宙エレベータープロジェクト(江上研究室)

電話番号

045-481-5661(代)

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