様々な課題に挑む
労働経済学
小川 浩准教授
福祉・環境・公共政策コース指定 B群科目
福祉・環境・公共政策コースでは、地球規模の環境問題や少子高齢化社会の困難など、現実の問題を見極め、その解決に必要な視点と方法を学びます。このような福祉と環境の問題は、真の豊かさを求めて私たちがこれから解決していかなければならない重要な課題の一つです。このために、社会がこれからどのように構築され、どのような政策が実施されるべきかを、市場、政府、労働、環境の視点から探求します。
小川 浩准教授
福祉・環境・公共政策コース指定 B群科目
「労働経済」ということばを見たときに、みなさんは何を連想するでしょう? バイト先で給料が遅れるような話? テレビや新聞で流れる就職活動の話? それとも、両親が残業続きで家に帰ってこないような話? これはぜんぶ、労働経済であつかうテーマです。
それどころではありません。少子高齢化問題も、外国人労働者問題も、人手不足も失業もおよそ「ひと」が中心となっていることは、すべて労働経済のテーマになります。
たとえば典型的な労働っぽいテーマとして就職のことを考えてみましょう。就職という話の中には「企業が何人雇いたいか」「雇って欲しい人が何人いるか」といった人数のこと、「どういう人が仕事を探しているか」「企業はどういう人を雇いたいか」といった人の性質のこと、「人を雇う」ことから生じる個人と企業の責任問題などが含まれています。
人数だけ考えても、全体の人数は生まれたときに、大卒者なら22年くらい前に決まっていますが、ある年に何人子どもが生まれるかを考えるためには人々の結婚・出産行動の分析が必要です。企業が何人雇いたいかは、企業内での年齢分布や景気、事業をどの国・地域でこれから伸ばすかなどの判断と関係しますから、景気や企業行動に関する分析も要ります。
このように間口が非常に広いのが労働経済の特徴ですが、「労働経済論」では実際のデータからさまざまな課題を確認し、それについて経済学の考え方で解釈を加えるというスタイルで授業を行っています。
「B群科目」は、各コースに固有の専門的内容を学ぶ科目です。学科・専攻の基本となる「A群科目」に続いて、コースを選択した学生が優先的に履修することが推奨されます。
1年次 前学期 | 経済情報処理基礎、情報システム社会論、経済学のための数学入門 |
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1年次 後学期 | 経済情報処理 |
2年次 前学期 | ミクロ経済学Ⅱ、財政学(政府支出)、労働経済学、近現代日本経済史 |
2年次 後学期 | マクロ経済学Ⅱ、財政学(政府収入)、労働市場分析、近代日本経済史、経済政策、公共経済学、経済統計、社会経済学 経済ゼミナールⅠ |
3・4年次 前学期 | 社会保障論(年金・労働)、租税論Ⅰ、地方財政論Ⅰ、環境経済学、都市政策、農業経済論、現代資本主義論、金融論 経済ゼミナールⅡa(*3年次のみ履修可)、経済ゼミナールⅢa(*4年次のみ履修可) |
3・4年次 後学期 | 社会保障論(医療・福祉)、租税論Ⅱ、地方財政論Ⅱ、資源経済学、都市経済学、食糧経済論、現代経済システム論 経済ゼミナールⅡb(*3年次のみ履修可)、経済ゼミナールⅢb(*4年次のみ履修可) |
※2025年度以降入学者用
市場・産業コースでは、経済活動を担う市場・産業の相関関係にスポットを当て、経済社会のメカニズムと実態に迫ります。本コースでは、経済理論に基づいた企業や市場に関する専門的知識、統計学や計量経済学で扱われる経済事象に対する客観的な分析手法を学びます。これらの専門的知識に裏打ちされた知性と教養を身につけ、複雑に絡み合う現代の資本主義市場経済を系統的に理解することを目指します。
中西 勇人准教授
市場・産業コース指定 B群科目
計量経済学は、経済データを経済モデルを通して分析することで政策や事業の評価を行う経済学の一分野です。このように聞くと、自分には非常に縁遠いもののように感じてしまうかもしれませんが、計量経済学は皆さんの日々の意思決定にも役立つ、考え方のツールボックスを提供します。
たとえば、「英語ができる学生は偏差値が高いので、国語や数学ではなく英語の勉強時間を増やすことが難関大学合格の近道だ」という主張を皆さんは信じますか?もしも、この主張が間違いなのに、それを信じて国語や数学の勉強を減らして英語の勉強時間を増やせば、大きな損失を負うことになるでしょう。
「英語ができる学生は偏差値が高い」という主張は受験生ごとの英語の成績と全教科の偏差値が分かれば真偽を確かめられます。しかし、「英語ができる学生は偏差値が高い」としても、この情報だけから「国語や数学ではなく英語の勉強時間を増やすことが難関大学合格の近道だ」とは言えません。たとえば、お金持ちの家庭ほど幼少時から英会話を習うことができるでしょう。ゆえに、英語ができると偏差値が高いという関係は、両親の能力が高く高収入だと子どもも学力が高いという関係を反映しているだけかもしれません。これは英語の受験勉強の時間と関係ありません。
受験において英語の勉強時間を増やすのが有利だと信じるには、控えめに言っても「1日の勉強時間が同じ受験生同士でも英語に割く時間の割合が大きい受験生は、そうでない受験生とくらべて偏差値が高い」のかを明らかにするべきでしょう。 このためには、偏差値や成績のデータだけでなく、受験生の教科ごとの勉強時間のデータが必要だと分かります。 このように、データから本当に言えることは何なのか、自分の言いたいことを説明するためにはどんなデータが必要なのか、丁寧に考えるための方法を「計量経済学」では学びます。
計量経済学には、数学の力も必要ですが、それ以上に、他人だけでなく自分の主張も客観的に分析する科学者のような姿勢が重要です。みなさんがこれから社会で直面する問題には、答えなど設定されていないのですから、この姿勢を身につけることは、皆さんが思う以上に人生を豊かにしてくれるでしょう。
「B群科目」は、各コースに固有の専門的内容を学ぶ科目です。学科・専攻の基本となる「A群科目」に続いて、コースを選択した学生が優先的に履修することが推奨されます。
1年次 前学期 | 経済情報処理基礎、情報システム社会論、経済学のための数学入門 |
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1年次 後学期 | 経済情報処理 |
2年次 前学期 | ミクロ経済学Ⅱ、経済数学(確率統計)、労働経済学、財政学(政府支出)、国際経済学(貿易) |
2年次 後学期 | マクロ経済学Ⅱ、経済統計、労働市場分析、財政学(政府収入)、国際経済学(国際金融)、金融論、計量経済学、社会経済学 経済ゼミナールⅠ |
3・4年次 前学期 | 証券市場論Ⅰ、金融機関論Ⅰ、国際金融論Ⅰ、経済学史Ⅰ、産業組織論、公共経済学、経済政策、ファイナンス 経済ゼミナールⅡa(*3年次のみ履修可)、経済ゼミナールⅢa(*4年次のみ履修可) |
3・4年次 後学期 | 証券市場論Ⅱ、金融機関論Ⅱ、国際金融論Ⅱ、経済学史Ⅱ 経済ゼミナールⅡb(*3年次のみ履修可)、経済ゼミナールⅢb(*4年次のみ履修可) |
※2025年度以降入学者用
「グローバリゼーションの時代」といわれる今日、財、サービス、資本、労働力、文化の交流が地球規模で進み、諸国はますます緊密に結びつくようになり、国際的な相互理解の必要性が高まっています。国際経済・社会コースでは、経済大国から新興国まで、世界各地の経済および社会の知識を身につけ、世界経済のしくみとダイナミズムを理解します。理論的、歴史的、実証的に、国際比較を通じて国際経済・社会に対する理解を深め、国際的な視点から現代の経済を捉えることを目指します。
奥山 聡子准教授
国際経済・社会コース指定 B群科目
グローバル社会の動きはとてもダイナミックです。たくさんの企業が国境を超えて生産をおこない、多額の資金が国境を超えて移動しています。そのため、ある国で起きた問題が、瞬く間に全世界に広がります。
このように、すべての国、企業、人はグローバル経済の影響を受けています。私たちは、今、世界で何が起きているのか、それがどんな影響をもたらすのかを理解する必要があるのです。 なぜ貿易が拡大したのでしょうか?なぜ企業はグローバル化を進めたのでしょうか?
なぜ金融グローバル化が進んだのでしょうか?そしてなぜ金融危機のようなクラッシュが発生するのでしょうか?国際経済学では、こうしたグローバル社会におけるダイナミズムの根源を学んでいきます。
高校生の皆さんは、様々な経済問題に対して、今何が起きているのか、そしてこの後どうなるのか、自分で考えてみたくはありませんか?自分の頭で物事を考えるためには、土台となる知識や考え方を理解しておくことが非常に重要です。根本的な考え方を理解しないままデータや情報に振り回されると、誤った答えを導き出したり、誤った情報を鵜呑みにしてしまうおそれがあります。皆さんには、大学で人生の土台となる知識を身に付け、自分で考えられる人になってほしいと思います。
「B群科目」は、各コースに固有の専門的内容を学ぶ科目です。学科・専攻の基本となる「A群科目」に続いて、コースを選択した学生が優先的に履修することが推奨されます。
1年次 前学期 | 経済情報処理基礎、情報システム社会論、経済学のための数学入門 |
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1年次 後学期 | 経済情報処理 |
2年次 前学期 | アジア経済論、現代アメリカ経済論、欧州経済統合論、国際経済学(貿易)、国際貿易論、世界経済論、西洋経済史、ミクロ経済学Ⅱ |
2年次 後学期 | アジア経済研究、現代アメリカ経済研究、現代ヨーロッパ経済研究、国際経済学(国際金融)、貿易政策、現代世界経済論、欧米経済史、マクロ経済学Ⅱ、社会経済学 経済ゼミナールⅠ |
3・4年次 前学期 | 国際金融論Ⅰ、中東政治経済論、新興国経済論、ラテンアメリカ経済論、ロシア経済論、中国経済論、経済哲学Ⅰ、現代資本主義論 経済ゼミナールⅡa(*3年次のみ履修可)、経済ゼミナールⅢa(*4年次のみ履修可) |
3・4年次 後学期 | 国際金融論Ⅱ、中東政治経済研究、開発経済学、ラテンアメリカ経済研究、ロシア経済研究、中国経済研究、経済哲学Ⅱ、現代経済システム論 経済ゼミナールⅡb(*3年次のみ履修可)、経済ゼミナールⅢb(*4年次のみ履修可) |
※2025年度以降入学者用