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企業と地域の共存。その最適解を求めて成長を続けていきたい。松崎 隼人さん/株式会社良品計画/静岡県出身

企業と地域の共存。その最適解を求めて成長を続けていきたい。松崎 隼人さん/株式会社良品計画/静岡県出身

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商店街での出会いとゼミの研究が、生涯のテーマに結び付いた

横浜キャンパスの最寄り駅である東急東横線白楽駅改札を出ると、神大生にはお馴染みの六角橋商店街が広がっています。商店街の片隅に、輸入雑貨を取り扱う小さなアンティークショップがあるのですが、今思えばそのお店との出会いが、自分の未来を見つけるきっかけの一つになりました。私が感じていた神奈川大学の魅力は、国際都市・横浜にあり、人との出会いがたくさんあるところ。インテリアやファッションに興味のあった私はキャンパス周辺のいろいろな店を覗いてまわるうち、そのアンティークショップのオーナーと知り合いました。オーナーは「安くていいもの」を大量販売して儲けるのではなく、作り手の思いがしっかり込められていて、買った人が愛着をもって長く使ってくれそうな品を吟味してお店に置いているのだと言います。そして、お店を訪れたお客様一人ひとりとゆっくり対話しながらお気に入りを見つけていただくのが楽しいのだと語ってくださいました。オーナーの人柄やお店の居心地の良さに惹かれて、何度も足を運んでいろいろなお話を伺う中で、次第に小売業や個店経営について興味を抱くようになり、ゼミでは製造や仕入れ、在庫管理や店頭販売によって消費者に商品を届ける流通業・物流についての研究を行いました。いかに物流コストを抑え、個店経営の効率化を図るか。研究を進めるうちに、大企業と地域商店との関係性を模索するようになりました。大企業の地方出店によって、地域商店が衰退してしまうというニュースを度々見かけますが、地域商店には、大企業とはまったく違った魅力があります。「両者がより良い形で共存できる方法はないのだろうか」。アンティークショップとの出会いと大学での研究が、その問いにつながりました。

個店独自の戦略ビジョンを立て、具現化させる仕事へ

私が無印良品の経営母体である良品計画への就職を志望したのは、企業理念としている「感じ良い暮らしと社会」の実現に貢献するというビジョンに強く共感したからです。神奈川大学での学びや発見、多様な考えを持った人たちとの交流があったからこそ、この企業理念に共感できたのだと思っています。このビジョンを実現するため、当社では“個店経営”を軸とした地域密着型の事業モデルの展開を推進しています。各店舗の店長が、地域の特性やニーズをお客様から引き出し、本当に地域に必要とされる品ぞろえやサービスを個店ごとに考え、実行していきます。また、一部の店舗では地域課題にも目を向けて、行政や地域事業者と連携しながら、課題解決の一助となる取り組みも進めています。
実際に私も現在、石川県にある「無印良品 野々市明倫通り」の店長として、個店経営を行っています。マーケット調査や商品販売計画、売上・予算管理、スタッフの育成など業務は多岐にわたりますが、それらの基盤になるのが個店独自の戦略を立てること。中長期的に地域の方々に信頼され、愛されるお店に成長するには、どのような形で地域に溶け込み、どのような品ぞろえをし、どのような取り組みやサービスを行っていけばいいのかを策定していきます。根底にあるのは、ただ商売を広げるのではなく、地域の役に立つことを大前提とした商売をすることで地域と共存していきたいという思い。これはまさに、神奈川大学在学時に追究した「大企業と地域の共存」というテーマを具現化していると言えます。

地域の拠点としてつながりを広げていく

入社以来6店舗の経営に関わってきましたが、中でも印象深いのが埼玉県にある「無印良品 東武動物公園駅前」の新規オープンに取り組んだ経験です。出店した埼玉県南埼玉郡宮代町は人口約3万人の小さな町で、都心への通勤圏でありながら、自然豊かで、農のある風景がとても素敵な場所です。宮代町ならではの魅力を生かして、この町らしい成長を望む声が非常に多いため、大きな商業施設を誘致するのではなく、小さな商いを応援する創業支援事業が活発な地域でもあります。出店にあたって、無印良品としても地域の拠点となるようなサービスを展開したいと考え、フィールドワークを行いながら検討する中で着目したのが、この地域には農と食を軸にした活動がたくさんあるという点でした。そこで、創業支援の一環として、シェアキッチン「みんなの台所」を立ち上げました。「みんなの台所」は、月単位・日単位で利用可能な、飲食店営業とお菓子の製造販売の一通りの活動を経験できる場所で、今後開業を目指している方を応援していく場所と考えています。こういった形で、地域との連携や共存を考えながら店舗運営を行っていることは、私の仕事の原動力となっています。
無印良品の店舗は国内外各地にありますが、県民性や文化、気候が異なれば、地域が抱える課題もまた違います。その違いを楽しみながら、これからは石川県の地域貢献にも着手していきたいと思っています。

※内容はすべて取材当時のものです。

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