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卒業後の人生まで的確に指南してくださる恩師に出会い、自分に合った会社選びができた。山﨑 安奈さん/エーザイ株式会社/静岡県出身

卒業後の人生まで的確に指南してくださる恩師に出会い、自分に合った会社選びができた。山﨑 安奈さん/エーザイ株式会社/静岡県出身

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長く働き続けるには「好き」と「ゆとり」が大切

正直に言うと、第一志望の大学が他にありました。ただ点数を取るための機械的な受験勉強に意味を見出せず、身が入らないまま受験に臨んでしまった結果、苦い思いを抱いて神奈川大学の門をくぐったことを今でも覚えています。ところが、入学後数カ月もしないうちにその思いは吹き飛び、「この大学に入って正解だった!」と確信が持てるようになりました。
その理由は、面倒見が良すぎると言ってもいいくらいの先生との出会いにあります。私は小さい頃から人と話すことが好きで、何か自分の行動で周りの人が喜んでくれると思うと不思議と力が湧いてくる性格でした。そこから、人々が心地良く暮らし、快適に働ける環境をつくるために学びたいと考えるようになり、キャリアデザインや人的資源について学べる学科を選びました。そして2年次から始まったゼミで出会ったのが、現在も交流が続いている三島斉紀先生です。先生を一言で例えるなら“オカン”。高校生の頃の私は、大学教員というのは、学びや研究に関することはもちろん学生に教えてくださるけれど、卒業後の将来については本人の自主性に任せてあまり関わらない、という印象を持っていました。でも三島先生は、時に口酸っぱく、私たちゼミ生の人生を心配して話しかけてくださいます。「ただ好きなだけでは、仕事は長続きしないよ。経営的に安定していて今後の成長が見込める会社ならば、長く働き続けて社会に貢献することができるし、万全な状態で仕事に集中するためにも、待遇面の働きやすさをチェックしておくと安心。好きと会社・業界の質のバランスを考えて、本当に“いい会社”に入りなさい。そして“いい会社”に入るためには何が必要かを考えて、早めに動かないと」。まるで娘や息子を案じるような熱くて厳しいアドバイスでしたが、そのおかげで私は、もっとも自分に合った会社選択ができたと思っています。
就職活動を始めた当初、人材マネジメントや広告制作に関わる業界にも興味がありました。いくつか名の通った大手企業からも内定を頂いていたのですが、よくよく調べてみると、なかには激務で人の入れ替わりが激しいという評判のある会社もありました。「ワーク・ライフ・バランスを上手に取りながら、しっかりキャリアを積んでいきなさい」。そんな先生の話が頭をよぎり、自分のやりたいことと条件面のバランスを考えて、現在の会社を選択しました。

楽しいと思えることなら、いくらでも学べる

私の当面の目標は、MRとしての責任感を胸に成長を続けることです。MRとはMedical Representatives(医療情報担当者)の略で、医療関係者に自社の医薬品を紹介し、適正情報を伝えるスペシャリスト。病院やクリニックなどの得意先を回って医師や看護師の方との関係づくりに努める傍ら、薬学や疾患、医療制度などについても知識を習得しなければなりません。しかもひと通りの知識ではなく、医師と対話できるレベルの深さと鮮度が求められます。どれだけ勉強しても足りないという毎日ですが、私には「できる!」という自信がありました。なぜなら、ただテストを受けるためだけの勉強には意味を見出せなかった私でも、学生時代に「好きなこと、興味のあることならいくらでも学べる」と思える授業にたくさん出合い、学びの真の面白さを知ったから。文系学部出身の自分にとっては慣れない薬学の学びも、「人の命を救ったり、健康な毎日を取り戻したりする手助けにつながる」と思えば、新たな知識をどんどん吸収したくなります。MRは直に患者さんと接する機会はほとんどありませんが、入院中や外来の患者さんとご家族が喜ぶ姿を想像するだけで、価値ある勉強なのだと実感できるのです。
そうした専門知識を培いながらも、私は「ただ医薬情報を医師や看護師の方に紹介する業務に甘んじているだけでは、MRという職業はやがてAIに取って代わる日が来るかもしれない」という危機感も抱いています。「最後は、人が人をどう想うかだ。病に苦しむその患者さんが、もし自分の家族や友人だとしても、同じ医薬品を提案するだろうか」。いつも一度立ち止まってそう想像することで、それが最適な治療かを常に考えながら提案しています。MRという職に誇りをもって日々邁進していますが、将来的には三島ゼミでの学びを生かして、企業の経営活動の根幹を成す、人的資源の活用にも取り組んでいきたいと思っています。

※内容はすべて取材当時のものです。

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