JINDAI CAREERS|神大OB・OGを定期的にご紹介。先輩たちのキャリアが、あなたの「道しるべ」になる。 JINDAI CAREERS

教わることを待つのではなく、自ら学び取る。その姿勢が未来を切り拓いた。山崎 裕眞さん/株式会社関電工/神奈川県出身

教わることを待つのではなく、自ら学び取る。その姿勢が未来を切り拓いた。山崎 裕眞さん/株式会社関電工/神奈川県出身

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人の熱意に触れて、物事に向き合う姿勢が変わった

実は電気のことを学ぼうと思ったのは、何となく「電気業界なら将来は安泰だろう」という軽い気持ちからでした。工業高校の電気科に入り、普段は見えない建物の壁や天井の裏側には、多くの配線設備が存在することを知りました。また、趣味の神社巡りをしているときにふと、これらの歴史ある建造物にも、裏側には、建設当時には存在しなかった近代的な電気配線が組み込まれていることに気が付き、段々と私たちの生活に欠かせない電気設備への興味が強まっていったのです。神奈川大学を志望したのは、電気設備について学べる学科があったから。そして、奨学金制度が充実していて家計の負担を減らせそうだという、条件が合致したからです。
しかし入学後、周りの同級生や先輩方が常に前向きに将来を考え、そのために必要な知識や経験を得ようと行動する人ばかりだったことに驚きました。例えばグループで実験を行う際、それぞれが分担された作業をこなしさえすれば実験が成功する訳ではありません。自分の作業を進めながらも、他のメンバーのやり方や進捗を把握し、連携し合うことで結果がついてくるのです。それに、先生方はどんな場面でも親身に関わり、徹底して学生の疑問や質問に答えてくださいます。ごくたまに、厳しい叱咤激励が広い講義室に響き渡る場面もありました。
「私たち教員はいつでも受け入れる。だから君たちもいつでも聞きに来なさい。分かるまでずっと教えてあげるから。」そんな熱いメッセージを多くの授業から感じる毎日。そうした日々を過ごすうちに、私の中にあった割り切った気持ちは次第に消え、さまざまな人と積極的にコミュニケーションを取って、将来を切り拓いていこうと考えるようになりました。
その考えが行動に表れたのは、2年次の3月。3年生対象の就職イベントに参加し、イベント終了後、登壇した電気設備会社の社長にお声がけをしてインターンシップにつながったことが最初です。その会社はマンション等の他に神社仏閣の屋内配線施工を行っており、CADソフトを使って寺院の配線設備の設計業務を体験させてもらいました。実際に図面を作成してみたことで、電気設備技術がいかに細かい根拠によって形作られているかを実感できました。最先端のビルでも、神社仏閣のような歴史的建造物であっても、壁の裏側には緻密な配線と設備が施されているのです。社長はこんな話をしてくださいました。「コンセントや、照明一つとってもどこに置くかの根拠が必要で、我々はそれを説明できなければいけない」。人が暮らす空間をより健全に機能させるには、緻密な計画に基づく電気設備が必要なのだ。自分も同じように、人と空間を生かす仕事がしたい。そうした思いが芽生え、将来への志となりました。
3年次になり本格的に就職活動がスタートしましたが、私には既に心に決めた会社がありました。それは現在勤めている、電気設備の大手サブコン・関電工です。言うまでもなく競争率の高い会社ですので、周囲と同じように就職活動を行っていては内定を望むことはできません。調べるうちに、企業によっては早期選考を行っていることを知りました。早くから選考本番の経験を踏むことでチャンスが広がるに違いないと考えました。すぐさま、3年次に夏のインターンシップに、続けて冬にも再度参加しました。大事なのはただ参加するだけでなく、いかに積極的に発言し、認めてもらい、顔を覚えてもらえるかです。社員の方からの指示を待つのではなく、つぶさに仕事内容を観察し、自ら研究し、教わらなくても先回りして行動することを心がけました。早め早めに自分の将来のことを考え、入念に調べ、人に会い、実行する。その結果、無事内定獲得。神奈川大学で身につけた積極性を発揮して得た成果だと思っています。

現状に甘んじず、新たな送電技術の確立に貢献したい

現在は、主に発電所から街への長期送電を支える鉄塔の腐食測定検査に従事しています。日本は沿岸部や山間部、気候や湿度の差など、地域によって大きく環境が異なるため、送電鉄塔の老朽化の度合いもさまざまです。そうした測定をチームで行い、検証用のデータを作成していきます。また、新たなプロジェクトも進行しており、地形や地盤調査を行いながら送電鉄塔を建てる位置を決める業務にも携わっています。いずれも、人と空間を生かすためのインフラを守り、生み出す仕事。一緒に働く先輩やチームメンバーの姿からより多くを学び取ろうと、常に周囲に目を配り、自主的にコミュニケーションを取る姿勢を心がけています。
電設業界のこれからの動きとして注目されているのが、高電圧直流送電(HVDC)と呼ばれるカーボンニュートラルな送電技術です。現在の長距離送電は交流送電で行っているのですが、より電力ロスの少ないHVDCへいかにスムーズに転換し、インフラ整備を進めるかという点で多くの議論がなされています。私自身もサスティナブル社会を実現する技術としてとても関心を持っています。大学時代の学びを生かして自発的に仕事を学んでいき、将来は未来をつなぐ送電インフラの整備に貢献したいです。そのために、まずはしっかりと目の前の現場に向き合い、確かな知識と技術を蓄えていきます。

※内容はすべて取材当時のものです。

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