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手に入れたのは、あらゆる出会いをポジティブに生かす力。沼田 昌之さん/杉並区役所/神奈川県出身

手に入れたのは、あらゆる出会いをポジティブに生かす力。沼田 昌之さん/杉並区役所/神奈川県出身

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「こうなりたい」という思いがあれば、そうなる出会いにつながる大学

両親とも公務員の家庭で育った私は、幼い頃から漠然と、しっかり仕事をしながらもきちんと休みを取って、家族の時間を十分につくれるワークスタイルっていいなと感じていました。高校生になって進路を検討する頃には、「警察官を目指そう」と目標を定め、同じく公務員を目指している先輩に話を聞くと、「神大っていいらしいよ」と一言。さらに聞くと、公務員養成に力を入れていて、そのための対策プログラムが充実していると教えてもらったので、「地元からも近いし、夢にも近づけそうだ」という期待を込めて進学を決めました。
入学してみると、まさに期待通り。この大学では、何げなく「こうなりたい」と思ったり話したりしているだけで、いろんな人との出会いやつながりが広がっていくのです。例えば、所属していた三浦ゼミでは、東日本大震災の被災地に赴いて、復興に尽力されている地域の方々や自治体職員の方々から、震災当時から現在に至るお話を伺うことができました。地域ぐるみで力を合わせる姿に心を打たれたことから、志望を警察官から自治体職員に変更。三浦先生との雑談の中でその思いを伝えると、数日と経たないうちに先生から「神大の職員に元区役所職員がいるから、話を聞いてみるといいよ」と声をかけてもらい、その方を紹介いただくことに。その方が勤めていた杉並区役所では、区民の視点に立った“五つ星の区役所づくり”に取り組んでおり、住民が一体となって地域を盛り上げようとしているのだといった話をいくつもしてくださいました。折しも、古着に興味を持ち、高円寺に足繁く通っていた時期でもあり、「縁があるのかも」と感じた私は、次第に杉並区の一員として働くことに憧れを抱くようになりました。

手厳しいご意見も、出会いのひとつ

私の希望は、杉並区内の防災と障がい者福祉に関わることです。防災は、被災地訪問で震災の惨状を目の当たりにし、行政が発信する情報の精度や早さがいかに住民の安全に直結するかを知ったことで、責任の重さとやりがいを感じたことがきっかけ。障がい者福祉は、身近な人が障がいを抱えるようになり、地域ぐるみで支えていく自治体のあり方に共感したことから志すようになりました。入職して最初に配属されたのは、都市整備部交通対策課。自転車駐輪場の委託管理・放置自転車の取り締まりを任されたのですが、時には手厳しいご意見をいただき、その応対に悩まされたこともありました。しかし、それも「出会いのひとつ」です。区民の方から寄せられる生の声から、相手の考えや思いを汲み取り、今後どうすべきかを提案して打開策を探る。しっかり対応すれば感謝の声となって返ってくることもあります。ここで培った交渉スキルは、その後、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に派遣され、配属されたFNB(Food&Beverageの略語)という飲食提供を管理する部署で生かされたと思います。国も民族も宗教も考え方も異なるゲストやアスリートに、どうすれば満足のいく栄養とおいしさを提供できるか。部署にはスポンサー企業の社員や東京都職員、オリンピック・パラリンピック準備局員、民間委託会社の担当者など立場の異なる人が集まっており、そうした初対面の方たちと協働しながら調整して回らなければなりません。その重責からプレッシャーで押し潰されそうになることも少なくありませんでした。交渉の壁にぶち当たり、失敗や挫折を味わいながらも立ち向かい、東京2020大会に少しでも寄与できたのは、「プレッシャーも失敗も挫折も、出会いのひとつ」と考え、再挑戦を繰り返してきたからだと思います。
派遣期間終了後は、杉並区役所のオリンピック・パラリンピック連携推進担当の一員として、事前キャンプの受け入れやホストタウン交流事業、聖火リレー点灯式といった事業に取り組みました。困難な状況に直面する場面も数多くありましたが、そんな時ほどチームで助け合うことで乗り越えられるのだと前向きに考え、仕事を楽しむことの大切さを実感しました。

そして失敗も、自分を成長させる出会いのひとつ

東京2020大会が閉幕した現在、これを一過性のイベントで終わらせず、どうすれば今後の地域振興の力にできるかを考え、新たなイベントなどを企画・実行する仕事に携わっています。例えば、区で中止となった聖火リレーの代わりに、選手や地域の方々を巻き込んだ記憶に残るイベントを企画したり、東京2020大会を契機にスタートした区独自のボランティア登録制度「TEAM NAMISUKE※」を活かした事業を推進するなどしています。「TEAM NAMISUKE」には、1,000人を超える登録があり、語学が堪能なメンバーも多いことから、インバウンド向けに杉並区のガイドを行う計画を立てるなど、地域の方々とともに地域活性化に取り組む新たな起爆剤になればと期待しています。&Beverageの略語)という飲食提供を管理する部署で生かされたと思います。国も民族も宗教も考え方も異なるゲストやアスリートに、どうすれば満足のいく栄養とおいしさを提供できるか。部署にはスポンサー企業の社員や東京都職員、オリンピック・パラリンピック準備局員、民間委託会社の担当者など立場の異なる人が集まっており、そうした初対面の方たちと協働しながら調整して回らなければなりません。その重責からプレッシャーで押し潰されそうになることも少なくありませんでした。交渉の壁にぶち当たり、失敗や挫折を味わいながらも立ち向かい、東京2020大会に少しでも寄与できたのは、「プレッシャーも失敗も挫折も、出会いのひとつ」と考え、再挑戦を繰り返してきたからだと思います。
来年度には、後輩への指導や育成を行う立場にもなります。後輩たちが、さまざまなプレッシャーを感じながら仕事に向き合っている場面では、「それも、出会いのひとつ」という視点を忘れずフォローアップし、失敗や挫折が自分をより良く成長させる機会だと伝えたいと考えています。そして、自治体職員の何よりのやりがいは、多様な業務の全てが住民の安全・安心な暮らしの実現につながっていること。多岐にわたる業務を経験し、得られた知見を次の新しいチャレンジに生かすことで、自身の成長を実感できること。いつか、念願の防災、障がい者福祉に関われるまでに、さらに成長した自分でありたい。学生時代に培った「あらゆる出会いをポジティブに生かす力」を今後もフル活用し、五つ星のサービスで区民の方々を支えていきたいです。

※TEAM NAMISUKE:東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に立ち上げられた杉並区の新ボランティア制度です。
※内容はすべて取材当時のものです。

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