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本気で「働きたい」と思える場所はどこなのか。最後にその答えに巡り合った。和光 奎さん/株式会社シャトレーゼ/山梨県出身

本気で「働きたい」と思える場所はどこなのか。最後にその答えに巡り合った。和光 奎さん/株式会社シャトレーゼ/山梨県出身

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「志望動機」に苦しめられた、就職活動。

出身は、山梨県の富士吉田市。地元に愛着があり、神奈川大学に進学してからも山梨には頻繁に帰っていて、休日は富士山五合目の売店でアルバイトをする日々を送っていました。神大を選んだのも、地元からの近さと、キャンパス周辺の豊かな自然に居心地の良さを感じたからです。
大学生となってからは、高校までの勉強とは違う“大学で学ぶ化学”の虜になりました。研究室では、油に対する水の溶解度をテーマに、川に油が流出した際の環境への影響を研究。地元で慣れ親しんだ自然環境に関心があり、「環境社会検定®(eco検定)」も取得していた私は、寝食を忘れるほど実験に熱中しました。結果数値をコツコツ入力し、仮説通りのグラフが浮かび上がってきた瞬間、思わず「やった…!」と声が出るほど興奮したことは今も忘れられません。 そんなある日、ふとキャンパスにスーツ姿の学生が増えていることに気付きました。私が研究に没頭している間に、同級生は着々と就職活動を進めていたのです。本来ならこのとき、どんなところに就職したいかをじっくり考えるべきだったのですが、出遅れたことに焦ってしまい、ろくに準備もしないまま目に留まった伝動・制御機器の部品メーカーに応募。面接官の方に「君、興味もないのに、どうして受けにきたの?」と呆れられてしまいました。失礼な行動を反省した私は、この失敗を機に企業研究や自己分析を徹底して、全力で就職活動に取り組み始めました。しかし、履歴書の志望動機の欄だけがどうしても埋まりません。言葉が出てこないのです。自分はダメだと落ち込み、だんだんと企業説明会への足も遠のいていきました。
「本当にやりたいと思える仕事を選ばなきゃ伝えたいことなんて見つからない。それならば“大好きな地元で働きたい”という気持ちを出発点に就職先を考えてもいいんじゃないか」とUターン就職を意識し始めたのはその頃です。同級生の就職が次々に決まっていく中、自らを奮い立たせ、就職資料室のU・Iターン就職コーナーに通いつめ始めました。部品メーカーでの失敗から面接に苦手意識を持ってしまっていたので、それを克服するために体験談を読みあさる毎日。「こんなことを質問された」「こう答えたら好反応だった」といった生の声はどれも参考になり、まるで先輩たちから励まされているかのよう。そのうち、就職活動に対する怖れや緊張は少しずつほぐれていきました。
「シャトレーゼ」に応募したきっかけは、地元企業を検索していたときに見つけた社名に懐かしさを覚えたから。幼い頃に親に連れられて行った店舗で食べたアイスクリームの思い出が脳裏に浮かんだのです。早速参加した企業説明会では、社員のチャレンジ精神を尊重し、若手の意見も積極的に取り入れるという企業姿勢に心を打たれました。私は、研究室でもアルバイト先の作業でも効率的な進め方を工夫し、実行するのが得意だったからです。いつまでに何をすべきかを整理して研究計画を立てることや、店長に店舗の改善を任せてもらえることが、やりがいにもなっていました「。私が職場に求めているのは、チャレンジさせてくれる環境なんだ!」とようやく全てが頭の中でつながり、あらためて履歴書を前にしたところ、驚くことに志望動機がスラスラと書けたのです。企業姿勢への共感、地元への愛着…。本気で「この会社で働きたい」と思えないと、志望動機は出てこないのだと痛感しました。その後の面接でも、幼い頃の思い出から店舗の改善策までを、採用選考だということを忘れてしまうくらいありのままに話し、二次面接、三次面接を突破して、気が付けば4年次の7月に内定を獲得していました。

「作業」をするのではなく、「仕事」をする。

現在は、白州工場で製餡の業務に就いています。小豆を炊き、どら焼きやアイスクリームの材料となるあんを製造するのが仕事です。心掛けているのは、「作業」ではなく「仕事」をしているという意識を持つこと。例えば原料を容器に移すといったシンプルな工程でも、どうしたらもっと無駄なく動けるかを常に考えるようにしています。当社には、そんな気付きを改善提案できる仕組みがあります。必要なコストと、見込める効果を企画書にまとめて提出し、認められれば現場を変えていくことができるのです。私の提案もすでにいくつか採用されています。企業説明会で心を動かされたチャレンジ精神重視の社風は、ただの建前ではありませんでした。
工場からは、すぐそばで富士山を眺めることができます。学生時代にうまくいかず落ち込んだときはいつも、キャンパスから見える遠くの富士山に勇気付けられてきました。就職活動に出遅れた末に決まった会社ですが、山梨で就職し、この会社に出会えて良かった。今、心からそう感じています。

※内容はすべて取材当時のものです。

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