JINDAI CAREERS|神大OB・OGを定期的にご紹介。先輩たちのキャリアが、あなたの「道しるべ」になる。 JINDAI CAREERS

学部や専攻にとらわれすぎない。学ぶ姿勢の先に、進むべき道はある。山西 航平さん/東芝プラントシステム株式会社/静岡県出身

学部や専攻にとらわれすぎない。学ぶ姿勢の先に、進むべき道はある。山西 航平さん/東芝プラントシステム株式会社/静岡県出身

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当たり前の生活を送れる奇跡…その気付きが進路を変えた

高校3年生の私は、就職するか進学するかさえも迷っていましたが、父に勧められるままに消防士の採用試験を受けました。熱意を持てずに試験に臨み、結果はもちろん不合格。しかし、このことが自分の進路について考え直すきっかけとなりました。生まれ育った静岡県の西部は、自動車製造業が盛んで、父もその技術者として働いていたことから、自然な流れでものづくりに興味を持つように。志望を工学部に決めて参加した神奈川大学のオープンキャンパスでは、先輩たちが専攻している学びの話だけでなく、学部の垣根を越えて交友関係を広げている様子を生き生きと話してくれたのが強く印象に残りました。「この開放的なキャンパスで多くの人と出会いたい」そんな希望を抱いて入学しました。
工学部は実験・実習形式の授業が数多く用意されている点も魅力でした。高校の「数学」や「物理」など教科書に沿った授業とは違い、本物のエンジンを分解し、また組み立てることで設計と製作の仕組みを理解するといった体験には多くの発見があります。学生生活を通して、ものづくりの面白さを存分に味わった私は、そのまま製造業への就職を志望するようになったのですが、その頃は「就職氷河期」と呼ばれた、就職難が社会問題化していた時期。何社エントリーしても、書類選考を通過することすら難しい状況でした。他学部の友人が幅広く企業研究を行っている姿を見て、自分も視野を広げる必要があると感じ始めていたその矢先、東日本大震災が起きました。
突然の震災で企業の採用活動は一時中断。連日テレビで流れる凄惨な被害状況に強い衝撃を受け、「これからどうなってしまうのだろう」と不安な気持ちを抱えながら、将来についてさまざまな思いを巡らせていました。電気や水道などライフラインが止まり、道路・鉄道といった産業基盤が崩壊していく様子を見て、改めて気付かされた社会インフラ設備の重要性。それが、大学で学んだ分野とは異なるプラント業界に興味を持ったきっかけでした。就職活動を再開した私は、情報収集から始めました。就職情報サイトを使ってプラント業界にはどのような企業があるのかを調べ、会社説明会に参加し、企業研究を進めていきました。そうした中で、「機械系エンジニア」の募集枠があることを知り、専門分野とは違いましたが工学部の学びで培った力も生かせるのではないかと思い、就職先の候補にしました。
徐々に企業も採用活動を再開し始めた頃、まずは書類選考を突破する対策を練ろうと思い立って、父に応募書類を添削してもらったのですが、これは効果がありました。私の長所も短所もよく知っている父だからこその容赦ない欠点の洗い出しと的確なアドバイス。自分の考えや思いが伝わる丁寧な書き方を徹底されたのです。その甲斐あって、その後は選考を順調に通過することができました。
最終的にプラントエンジニアリング会社である当社を選んだ理由は、新しいフィールドで挑戦してみたいという意欲が勝ったから。会社説明会や面接で担当者から電気設備のエンジニアという仕事の面白さややりがいを聞くにつれ、専門外への就職に対する不安より、興味や期待が膨らんでいったのを覚えています。

最先端の技術に触れられる喜びが成長を後押ししてくれる

現在は、電気設備設計全般を担うエンジニアとして半導体工場の設計を担当しています。空間の用途や広さを考慮した照明計画、設置される設備・機械に適したコンセントの配置、電気を供給するために必要な動力制御盤や受変電設備の構成などあらゆる電気設備の設計を行います。半導体業界は技術の進歩が著しいため、工場に導入されるマシンは、次々と最先端の技術を搭載した機種に入れ替わります。マシンが変われば、当然それを稼働させるための電気設備の設計も変わるため、業界の動向には常にアンテナを張らなければなりません。また、電気設備には遵守すべき法律や規定が多くあるため、常に最新の情報を取り入れながら業務を進めています。
入社当初は、業務内容を理解するだけで精一杯の日々でしたが、7年が経った今、当時にはなかったさまざまな技術の実用化や、常に進化し続ける様子を目の当たりにして勤務に就けることを、何よりのやりがいと思えるまでになっています。
設計担当の業務は、主に電気設備の検討を行い、綿密なシミュレーションに基づく設計図を納品するところまでですが、時には現場に赴き、自分が設計した製品を組み立て、実際に動かしてみることも。そんな時は、ものづくりに没頭していた大学時代を思い出し、製造工程への思いが再燃します。設計だけではなく、製造や施工についての知識も増やし、仕事の幅を広げ、少しでも早く一人前のエンジニアになることが今の目標です。

※内容はすべて取材当時のものです。

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