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白川郷と研究室とラクロス。 全て駅の設計につながっている。五十嵐 美穂さん/株式会社ジェイアール東日本 建築設計事務所/神奈川県出身

白川郷と研究室とラクロス。 全て駅の設計につながっている。五十嵐 美穂さん/株式会社ジェイアール東日本 建築設計事務所/神奈川県出身

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建物だけでなく仕事の流れも設計する。

私が所属する部署では、駅舎などの鉄道関連施設を中心に、商業施設やオフィスなどの駅ビル複合施設に関わる設計業務を行っています。今担当しているのは、都内の主要ターミナル駅と一体になった複合施設の大規模開発プロジェクト。複数の設計事務所と共同して設計・監理に携わっているので、当社単独の案件とはまた違った仕事の進め方を経験できることに魅力を感じています。
規模の大きな開発プロジェクトは10〜20年のスパン。最終的な目標に向かって今何をすべきかを考える、その積み重ねが大切です。建物は決してひとりで創り上げるものではなく、関係者や行政との協議を幾度も行い、綿密な計画を立てながら進めていく必要があります。図面を引くことが建物を設計することであれば、打ち合わせでの発言や業務を進める上での行動は、「仕事の流れ」を設計していくような役割があると思っています。関係者が多いプロジェクトほど、意識してコミュニケーションをとり、小さな問題でも一つずつクリアしていく必要があります。大きな目標に向かい、皆で日々最適解を追求していく。建築のやりがいはそこにあります。

中学で感動し大学で体験した地域に根ざすモノづくり。

子どもの頃からモノづくりが好きで、建築との出会いは中学生の頃でした。家族旅行で訪れた白川郷の合掌造りを見てその素晴らしさに感動。それが忘れられず、高校二年生の夏休みに白川郷へ一人旅をして「合掌造りの家のリノベーション」というテーマで自由研究を行いました。雪深い地域の気候に合わせ、屋根の角度を工夫していたり、一軒の茅葺き屋根を集落のみんなで張り替える共同作業の慣習があったり。地域に根ざした日本古来の建築物の考え方に感銘を受け、建築を志すようになりました。
大学で所属していた建築・都市デザイン研究室では、フィールドワークで地域の人達と対話しながらまちづくりを行う活動をしていました。郊外の団地に滞在してアート作品を制作したり、地域で協力しながら防災拠点や街の中心地として活用できるような公園の再整備を行ったり。そうした活動から、様々な建築分野の中でも普段何気なく利用する公共建築に携わりたいと思うようになりました。「駅」を通じて地域に根ざしたまちづくりに貢献したい、今の会社を志望したのもそんな思いからです。入社後初めて携わったのは、山梨県の、ある駅舎を橋上化するプロジェクトでした。単なる交通拠点を創るのではなく、地域の方々と共にまちづくりを考えることが大切だとあらためて感じました。駅は何十年も長く使われるものですので、自ら線を描いたものが竣工するのは怖くもありましたが、責任の重みとやりがいも感じましたね。
現在携わっているプロジェクトは2019年度完成予定です。今はこのプロジェクトを無事に完遂することが目標ですが、今後も地域の活性化に貢献できるまちづくりができるように努力していきたいと思っています。地域の方々と一緒に、一つの建物を創る。完成後に、皆さんから「できて良かった」と思ってもらえるモノづくりがしたいですね。

※内容はすべて取材当時のものです。

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