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2018.09.14

工学研究科 安藤風馬さんと野村文洋さんが「公益社団法人電気化学会」主催の学会において、ポスター賞を受賞しました

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工学研究科応用化学専攻 博士前期課程1年(松本太研究室)の野村文洋さんと博士後期課程1年(松本太研究室)安藤風馬さんが優秀ポスター賞をそれぞれ受賞しました。

野村さんは、リチウムイオン電池に関して研究をしています。Li過剰系固溶体正極材料は250 mAh/gと他正極材料と比べ高い実行容量を有していますが各組成においての検討しか行われていないため高い容量が得られる組成が解明されておらず、同様に高容量が得られる構造条件がいまだ解明されていません。そのため、組成探索と焼成条件の検討による結晶構造と電池性能の相関について検討を行いました。結果として、Liが1.17~1.23程度の組成が高いエネルギー密度を示し、Li[Li0.2Ni0.18Co0.03Mn0.58]O2の組成において良好なサイクル特性を示しました。焼成条件の検討での結果から、高容量を示す結晶構造の条件として空間群C 2/mにおいて2bサイトLiの占有率と2cサイトLiの占有率の高さが重要である事が確認しました。

安藤さんは、燃料電池の研究に取り組んでいます。燃料電池は、現在は主に自動車メーカー等の企業研究で使用されており、充電の必要があるリチウムイオン電池と違い、燃料として水素を入れることで酸素と結合して電力を生み出すことができます。今回の研究では、酸化チタン(Ti O2)の上に鉛(Pb)を合成した化合物で実験を行い、触媒活性に変化がみられ、より安価な化合物での良好な結果を得ることができました。今後は鉄(Fe)やコバルト(Co)の物質でも実験を行い、白金を使わない、より安価な燃料電池の開発に向けて研究に取り組みます。

研究テーマ・受賞コメント

野村文洋さん
研究テーマ「Optimization of Calcination Conditions in Preparation of a High Capacity Li-rich Solid-Solution Li[Li0.2Ni0.18Co0.03Mn0.58]O2 Material and Its Cathode Performance in Lithium Ion Battery」

【コメント】
このたびは名誉ある賞を頂き身に余る光栄です。これも常日頃からご指導ご鞭撻のほど頂いている松本先生教授、今は防衛大学に勤めている田辺先生、また私が在籍している研究室の院生の方々や工学研究所職員の方々のおかげであると重々承知しており、深く感謝しております。まだまだ若輩者でありますが頂いたご恩を還元できるよう、より一層気を引き締めて研究に励み精進していく次第です。

 

安藤風馬さん
研究テーマ「Relationship between d-band Center of Dealloyed PtPb Ordered Intermetallic Nanoparticle Deposited on TiO2/ Cup-Stacked Carbon Nanotube and ORR Activity in Acidic Aqueous Media(担持体および第二元素を用いたPt系金属間化合物ナノ粒子のPt d-バンドセンターのチューニングによるORR活性の向上に関する検討)」

【コメント】
この度は、日本電気化学会夏の学校にてポスター賞を獲得できたことを大変光栄に思います。私は過去に何度も今回の学会に参加しているのですが受賞したのは今回が初めてのことです。何年も続けてきた研究が認められたような気がして大変うれしく思うと同時に、より研究に専念しなければならないという重圧も感じました。最後となりますが、今回の受賞においてご指導してくださった松本先生ならびに研究室の皆さんには本当に感謝しています。

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