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2016.01.20

本学理学部 堀 久男 教授の研究グループが、希少金属「レニウム」の水中からの高効率な分離回収に成功しました!

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本件のポイント

●レニウム(Re)は、航空機エンジンや火力発電用のタービン等に使用されるレアメタルのひとつ。

●鉱物あるいは廃棄物からレニウムを製造するプロセスにおいては、水中に溶けている過レニウム酸イオン(ReO4)を分離回収する工程があり、従来は水溶液の加熱濃縮・冷却の繰り返し(再結晶)等により行われていたが、エネルギーコストが高く、かつ回収率も低いという問題がありました。

●本学理学部 堀 久男 教授の研究グループは、過レニウム酸イオンの水溶液に2-プロパノールとアセトンを添加し、光を照射することにより水に不溶な酸化レニウム(IV)(ReO2)および酸化レニウム(VI) (ReO3)に変換することで、高窒素濃度の排水等を出すことなく、水中の過レニウム酸イオンをほぼ完全に回収すること(レニウム原子の回収率:95%)に世界で初めて成功しました。

【研究概要】

レニウム(Re)は優れた耐熱性を示すレアメタルですが、その資源量はレアメタル47元素の中では最少で、2007年~2008年にはカザフスタンが輸出を停止するなど供給面でもやや不安があります。レニウムはレアメタルの中でも高価ですが、その原因は単に希少であることのみならず、低い製造効率にあります。従来、この金属は輝水鉛鉱(モリブデンの鉱石)の焙焼ガス中の酸化レニウム(VII)(Re2O7)を過レニウム酸イオン(ReO4)として水中に捕集し、加熱濃縮・冷却による再結晶を繰り返して得た沈殿を、水素気流下で強熱することで製造されていましたが、ReO4の塩類は全てのpH領域で水に易溶なためその回収率は低く、エネルギーコストも高いことが問題となっていました。

本研究では水中に溶解しているReO4に、安価な試薬である2-プロパノールとアセトンを加え、紫外・可視光を照射するという簡単な手法で水中のReO4を水に不溶な酸化レニウム(IV)(ReO2)および酸化レニウム(VI)(ReO3)の沈殿としてほぼ完全に回収することに成功しました(回収率95%:沈殿に含まれるレニウム原子の数を反応前の水中に存在するレニウム原子の数で除した値、ICP発光分光分析法による)。

(写真:光反応実験の様子)

この方法を用いてモリブデン成分が共存している水溶液からレニウム成分のみを選択的に回収することも可能でした。

この方法はElsevier社(オランダを本拠とする国際的な学術出版社)が発行する分離工学専門誌Separation and Purification Technologyに掲載されました。
H. Hori, Y. Yoshimura, T. Otsu, K. Kume, Y. Mitsumori, S. Kutsuna, K. Koike, Efficient photochemical recovery of rhenium from aqueous solutions, http://dx.doi.org/10.1016/j.seppur.2015.10.007.

なお、今回の成果は、独立行政法人日本学術振興会の科学研究費補助金および文部科学省の私立大学戦略的研究基盤形成支援事業の支援を受けて得られたものです。また、反応生成物の分析に関しては国立研究開発法人産業技術総合研究所環境管理研究部門の小池和英主任研究員および忽那周三上級主任研究員の協力を得ました。

堀 久男(ほり ひさお) 教授/工学博士

【所属】
理学部化学科

【専門分野】
環境化学、環境負荷物質の分解・無害化及び再資源化

【略歴】

2010年4月~現在 神奈川大学理学部化学科 教授
2015年4月~現在 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 環境管理研究部門 客員研究員(兼務)
2010年4月~2015年3月 独立行政法人 産業技術総合研究所 環境管理技術研究部門 客員研究員(兼務)
2004年5月~2010年3月 独立行政法人 産業技術総合研究所 環境管理技術研究部門 研究グループ長
2001年4月~2004年4月 独立行政法人 産業技術総合研究所 環境管理技術研究部門 主任研究員
1997年~1998年 マックスプランク石炭科学研究所(ドイツ) 客員研究員(科学技術庁長期在外研究員併任)
1994年10月~2001年3月 通商産業省 工業技術院 資源環境技術総合研究所 主任研究員
1993年4月~1994年9月 通商産業省 工業技術院 資源環境技術総合研究所 研究員
1990年4月~1993年3月 (株)東芝・研究開発センター 研究員
1990年3月 慶應義塾大学大学院理工学研究科応用化学専攻後期博士課程修了(工学博士)


【受賞歴】
2007年5月 第15回化学・バイオつくば賞「環境残留性有機フッ素化合物の分解・無害化反応システムの開発」(化学・バイオつくば財団)

本件に関するお問い合わせ先

<研究に関すること> 
堀 久男 (神奈川大学理学部化学科 教授)
電話:0463-59-4111 (代) (内線:2844) 

神奈川大学 研究支援部 平塚研究支援課
電話:0463-59-4111(代)
E-mail:kenkyu-hshien@kanagawa-u.ac.jp


<報道に関すること>
神奈川大学 広報部 広報課
電話:045-481-5661(代)
E-mail:kohou-info@kanagawa-u.ac.jp

プレスリリース発信元

〒221-8686 横浜市神奈川区六角橋3-27-1
神奈川大学 広報部

電話:045-481-5661(代)

FAX:045-481-9300

mail:kohou-info@kanagawa-u.ac.jp

URL:http://www.kanagawa-u.ac.jp

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