特別コレクション

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神奈川大学所蔵の貴重書コレクション紹介

パリ・コミューン政治諷刺画コレクション(パリ・コミューン関連資料コレクション)
Collection des caricatures politiques de la commune de Paris, 1870-1871

1871年、フランスが普仏戦争に敗北し講和条約を締結した後、パリの民衆は政府に対し反乱を起こし、一日のうちに権力を奪取した。これが後のヨーロッパの社会運動に計り知れない影響を与えた“パリ・コミューン”の始まりである。本学図書館が所蔵するのは、フランスが敗北したこの普仏戦争とパリ・コミューン期を描いた政治諷刺画、ポスター、パンフレット、新聞など合わせて約1500点から成るコレクションである。屋外に張り出され散逸しやすかったこれらの資料は、今では収集することが非常に難しいといわれている。このうち92点の諷刺画についてはCD-ROM版『描かれたパリ・コミューン』としてデジタル化されている。

マクシム・ヴイヨーム・コレクション(パリ・コミューン関連資料コレクション)
Collection des materiaux originaux de Maxime Vuillaume relatifs a la Commune de Paris, 1870-1871

パリ・コミューンに実際に参加し、その後コミューン研究家として活躍したジャーナリスト、マクシム・ヴイヨーム(Maxime Vuillaume,1844-1925)は、コミューン崩壊後の1908~1914年にかけて雑誌『私の赤い手帖(Mes Cahiers Rouges)』を刊行した。本学が所蔵するのは、そのオリジナル原稿をはじめ、タイプ原稿、校正刷りなど記事の編集のために使用したオリジナル資料やコミューン参加者の書簡460通などから成るコレクションである。

百科事典コレクション

本学図書館の《百科事典コレクション》は、セビリャ大司教イシドール(Isidor da Sevilla, 560?-636)による中世ヨーロッパの百科事典『語泉』のインキュナブラ刊本(1483年ベネチアで出版)をはじめ、ジョン・ハリス(John Harris,1666?-1719)によって英語で書かれた最初のアルファベット順百科事典『技術百科事典』(1704年)、前後参照システムの考案者、イーフレイム・チェンバーズ(Ephraim Chambers,1680?-1740)による『百科事典』(1728年)などを所蔵している。またフランス革命に思想的影響を与えたディドロ、ダランベールによる『百科全書』(1777,1780年)35冊も所蔵している。

日本研究コレクション

イタリア・ベネチアの旅行家マルコ・ポーロ(Marco Polo,1254-1324)の著書『東方見聞録』で日本が初めて世界に紹介されて以来、西欧における日本研究が始まったと言える。本学図書館が所蔵する500点を超える《日本研究コレクション》は、日本学-Japanology に関わるコレクションでもあり、日本の自然・文化・政治社会制度・生活・慣習他についての論究がなされている。アルノルドゥス・モンタヌス(Arnoldus Montanus, 1625?-1683)の『オランダ東インド会社遣日使節紀行』(1669年)の初版をはじめとして、エンゲルベルト・ケンペル(Engelbert Kampfer,1651-1716)の『廻国奇観』(1712年)、カール・ペーテル・ツュンベリー(Carl Peter Thunberg,1743-1828)の『日本植物誌』(1784年)、エメ・アンベール(Aime Humbert,1819-1910)の『幕末日本図絵』(1870年)などの各初版を所蔵し、また歴史都市横浜に関わる「横浜浮世絵」「横浜写真」「横浜絵葉書」他の貴重資料を所蔵している。