展示期間:2009年4月10日(金)~4月28日(火)※6月上旬まで延長
会 場:横浜図書館1F展示コーナー
名所図会とは、各地の名所旧跡・神社仏閣やその地方の物産などを記した絵入りの名所地誌のことです。名所図会が好評を博す前にも、各地の名所旧跡などを紹介した「名所記」などがありましたが、文章が多く読み物としての要素が強いものでした。それに対して名所図会は挿絵が多く用いられており、庶民にも大変に親しまれた書物です。今で言えば、さながら旅行ガイドブックといったところでしょうか。
名所図会のスタイルが確立されたのは、安永9年(1780)に出版された秋里籬島(あきさとりとう)による「都名所図会」によるといわれています。秋里は「都名所図会」を皮切りに数十種類に及ぶ膨大な数の名所図会を編集しています。しかし、秋里籬島という人物については未だにその詳細が知られていません。
『国書人名辞典』では次のように説明されています。
「読本作者・俳人。生没年未詳。文政末期(-1830)高齢で没か。名、舜福。字、湘夕。通称、仁左衛門。号、秋里籬島・籬島軒。一貫して京都にいて、日本各地を取材旅行し、読本や名所図会を著した」
今回の展示では、「都名所図会」をはじめ、街道を対象とした最初の名所図会といわれる『東海道名所図会』など、神奈川大学図書館が所蔵する貴重な資料の数々を展示しています。そこに描かれた精緻な描写から伝わる豊かな旅情を感じていただければと考えています。
ああ旅情~
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