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目の前の小さな仕事が、やがて未来を変えていく。北林 佑幸さん/神奈川県庁/秋田県出身

目の前の小さな仕事が、やがて未来を変えていく。北林 佑幸さん/神奈川県庁/秋田県出身

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前例がないところから、自分の手で創りあげる責任と喜び。

公務員という職種を目指していたわけではありません。神奈川県庁で働きたいと考えたのは、「神奈川県の街や自然や人の魅力を全国に伝えたい」という想いがあったからです。
秋田の高校から神奈川大学に進学した私は、環境政策のゼミで山へフィールドワークに出かけ、休日に箱根や鎌倉を訪れるうちに、都市の賑わいと、古い街並みの安らぎ、そして海や山などの自然を併せ持つ神奈川の豊かさに惹かれ、県の観光振興に携わりたいと考えるようになりました。その希望を叶える一番の近道だと思ったのが神奈川県庁でした。現在は政策局政策部総合政策課に所属し、新事業『人生100歳時代の設計図』チームの一員として会議の準備や日程調整、予算調整に奔走する毎日です。
知事の発案で始まった『人生100歳時代の設計図』プロジェクトは、健康寿命が延び、人生が長く続く時代にマッチした働き方や学び直し、社会参加の仕組みを考える全く新しい取り組み。現在は市町村や大学、NPOなどの実務者が集まって課題を共有し解決策を探るネットワーク型の活動を進めています。神奈川大学とも、人間科学部の先生と学生の皆さんの協力を得て、ワークショップを開催しました。
全国の先駆けとなる新事業を担当して感じるのは、ゼロから新しいものを創る緊張感です。県庁の仕事の多くには先輩が積み上げたノウハウがありますが、この新事業には前例も正解もありません。コンセプトを決めるときも、イベントの内容を考えるときも、常に手探り。試行錯誤を繰り返しながらアイデアを絞り出すしかない。苦しいですが「この事業の成功が県の活性化につながり、日本の未来を元気にする」と闘志を燃やし業務に励んでいます。
最近では、少しずつ県民の皆さんの反応を感じ、手応えを得ることも増えてきました。先日『過去を振り返り未来設計に役立てる』というテーマでシニア世代を対象にしたセミナーを開催したのですが、会場に参加者が続々と集まってくる様子を目にしたとき、私たちのメッセージを心に留めてくれた方がこんなにいると胸が熱くなりました。事後アンケートに「自分を見つめ直す良い機会になった」と書いてくださった方もいて、誰かのためになっている実感が湧いた瞬間でした。

終わりがある仕事、ない仕事。優先順位を決めて進めていく。

アイデアを考えることには終わりがありません。一方で、日程調整などの事務作業は期日内に完了させる必要がある。優先順位を明確にすること、手を動かす前に計画をしっかり立てることを心がけています。そんな私を支えてくれているのが、イチロー選手の「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただ一つの道だと思う」という言葉です。日々の仕事の積み重ねが、県民一人ひとりが生涯生きがいを持って社会参加できる、希望に満ちた将来を創る最初の一歩になるかもしれない。その気持ちを大切にしています。愛着ある神奈川県の今ある価値を発信するだけでなく、さらにより良く変えていける仕事に就けたことは、私の誇りです。

※内容はすべて取材当時のものです。

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