実は、特にやりたい仕事が思い浮かばなかったんですよ。プロのサッカー選手をずっとめざしていたので、就活開始は4年になる直前でした。そこから業界を絞らず、いろんな説明会に参加。じっと座っているのは向かないので、あちこち飛び回って様々な人と出会える営業職がいいと思い、幸いにもこの旅行業界と出会ったのです。
今の仕事は教育旅行が専門。高校をメインに担当し、修学旅行だけでなく部活動の合宿やPTAの旅行まで、企画から添乗すべての行程をプロデュースします。修学旅行先はお客さまが決めますが、具体的なプラン、つまり体験先やホテルの選定が営業マンの腕の見せドコロです。喜んでもらえる提案をするには、日ごろから先生とコミュニケーションをとることも大切です。
たしかに毎日多忙ですが、サッカーをやっていた頃の試合に出られない悔しさや、それでも頑張り続けた日々を想えば、仕事を辛いと感じることはありません。時には、生徒さんからお礼の手紙をもらうことも。仕事を通じて感謝されることが何より嬉しく、「人とのつながり」を感じます。「困ったときは南野に相談すればいい」といつか思っていただけるようになるのが目標です。
サッカーのために中学から親元を離れて暮らしていたので、自然とコミュニケーション力を養えたのだと思います。所属していたのは鹿島アントラーズのユースチーム。監督の勧めもあり神大へ進学。もちろん神大でもサッカー部。しかし、ケガなどでなかなか結果を出せず、泣く泣く夢をあきらめる決断をしました。
それでも、大学時代はとにかく楽しかった。人間科学部では一期生で、明るく自由な雰囲気の中、たくさんの人と出会うことができました。専攻はスポーツ健康コースでしたが、心理発達コースの授業を履修するなど、他コースの先生や学生との接点も多くありました。教育現場にも興味があり、保健体育の教員免許を取ったことも今の仕事につながっているかな。部活やコースの枠を超えて、本当に多くの人たちとつながれた。そこで過ごした時間に、社会人になっても支えられている気がします。
※内容はすべて取材当時のものです。